インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第104回
インド市場を攻める その3

インド市場攻略で気をつけておくべき事の3回目です。
三番目に考えるべきことは、地域戦略です。

中国では大都市に富が集中し、
地方・農村部は所得も低いのに対し、
インドでは国の富の6割は地方・農村に点在しています。
従って、インド攻略には地方も無視できず、
面的に攻めることを考える必要があります。
ですので、販売網構築が課題となります。

インドではパパママストアのような小規模店舗が中心で、
全土に販売網をもつ大手流通業者は少なかったのですが、
現在大手流通業は年率25〜30%で成長しており、
そのシェアは5%くらいまで拡大しています。
ですので、こういう業者と組むことで、
販売網を得るという努力が大事になってきます。

四番目に考えておくべきは、
BOP(Bottom Of Pyramid)
と言われる貧困層への販売です。

インドには年間所得9万ルピー以下の貧困層が、
約半数の6億人います。
このような貧困層は、今後のインドの経済成長に伴い、
所得の向上を伴った大きな購買層になると見込まれています。
したがって、こうした層への販売は、
将来を考えた時に大変重要になってきます。

また農村部への販売を通じて、
彼らにつながる販売網の構築ができますので、
これは将来に対して大きな資産となります。

日本企業では、ヤクルトが
ヤクルトレディ活用のノウハウを生かして
インドでも販売を拡大していますし、
味の素は調味料を小分けして、
彼らに買いやすい低価格で売ることで、
販売を伸ばしています。

最後に、日本製品に対する良いイメージを活用する、
ということです。
インドでは日本製品に対するイメージは大変に良く、
こうしたアドバンテージを生かさない手はありません。
また、日本品なら話は聞いてもらえる
というメリットがあります。

最後に、インド市場でビジネスを成功させたければ、
トライアルが欠かせません。
小規模でいいので、実際にやってみて、
多少は失敗をしても
そこから学ぶことで、着実に成果は得られるでしょう。


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2012年8月23日(木)

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