目標は「中金」持ち!

第123回
失業はまたとない再出発のチャンス その2

先日も、倒産したある銀行の中堅社員が二人で
私のオフィスに挨拶にみえた。
まだ四十代にさしかかったばかりの風貌も
物腰も立派な銀行マンだったが、
「入社するときはまさかこんなことになるとは
思っていなかったでしょう。
これからどうするつもりですか?」
と聞いたら、一瞬、顔を曇らせたが、
「まだ何も決めておりません。
さしあたり残務を整理することに追われていますので」と、
この世の終わりというほどの表情でもなかった。

本人たちにとっては、
もとより大きな曲がり角であろう。
しかし、私に言わせれば、いまの失業は、
大正時代から昭和の初めにかけての
「大学は出たけれど」という大恐慌時代とはわけが違う。
あのころは、労働予備軍として故郷へ帰り、
親の元で田んぼの草取りで
もするよりほかなかったが、
いまは仕事がなくなってしまったわけではなく、
生存できなくなった分野の仕事が
なくなってしまっただけのことだから、
新しい仕事が人手不足で悩んでいる分野に移ることもできるし、
自分で独立して自活することもできる。

年齢的に合わないとか、
専門知識を持たないから採用してもらえないという
むずかしさはあるけれども、そんなに選り好みをしなければ、
仕事にありつけないということはないのである。
それこそ働く意志と健康な身体さえあれば、
職にあぶれることのないよき時代なのである。

そういった意味では、
偶然、失業の憂き目をみた人にとっては
災難であるかもしれないが、
会社をクビになったおかげで、
新しいチャンスにめぐりあえるのだと思えば、
そんなにおちこむことでもないのである。
私は自分で手がけた仕事が一段落すると、
興味の大半を失うので、
自分の方から仕事をやめてもう一度、
未知の仕事に挑戦する一生を繰り返してきた。

はじめは恐れおののいて、
はたしてメシが食べていけるだろうかと
夜も眠れない日々を送ったこともあるが、
慣れてくるに従って、だんだん図々しくなり、
壁にぶつかったところから道は
ひらけていくものだと考えるようになった。
嘘と思ったら、ご自分で実験してください。
人間そのつもりになったら、
案外何とかやっていけるものですよ。





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2014年8月25日(月)

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