第124回
子供にまとまったお金を与えれば計画性が養成される
子供に小遣いをあげる場合、
親はーか月にいくらというように
月単位であげるのがふつうである。
たとえば、子供が小学生や
中学生くらいだったら月に何千円とか。
子供がもっと大きくなっても同じだろうと思う。
親元を離れて一人アパート生活をし、大学に通っている。
こうした家庭では親は、
毎月いくらと一定の額をきめて月末とか
月初めに仕送りしているケースがほとんどではないだろうか。
とくにサラリーマン家庭などでは、
毎月の月給の中から「これは子供の生活費」と決めて
仕送りするわけだから、月単位になるのが一般的である。
しかし私の家庭では、
かつて子供がアメリカに留学していたときも、
一年単位で仕送りしていた。
かりに生活費が一か月何十万円かかるとすれば、
一年分としてその十二倍の金額をいっぺんに送金するわけだ。
これは別に、お金が余分にあるからとか
毎月毎月送金するのがめんどうだからというのではなく、
私なりに理由があってのことである。
たとえば、ごくふつうに
一か月に一度親から仕送りがあるとしよう。
計画性のある子供だったら、食費にいくら、
友だちとのつきあいにいくら、
というように大体の予算をきめて上手にやりくりする。
だがそんな子供ばかりではなく、
なかには半月くらいで全部使ってしまう子供もいる。
残り半月くらいだったら
毎日カップラーメンだけでも何とかしのげるし、
半月のあいだ我慢すれば
親から仕送りがあるという安心感があるから
できることなのである。
ところが、一年に一度となるとそうはいかない。
半年で全部使ってしまったとすれば、
あとの半年は無一文になってしまうから、
空きっ腹を抱えて半年間、我慢することはできない。
おのずと自分でコントロールし、
計画的に使うようになる。
節約できる部分は、
できるだけ節約せざるを得ないわけである。
子供たちを世界中、連れ歩いて賛沢をさせたりしたが、
その反面、こうして節約することを身につけさせてきた。
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