第147回
お金はなくとも、しあわせで充実した人生を送る方がいい
人のしあわせ、ふしあわせは
一生を終えてみなければわからない。
ずっと好運に恵まれ、良い星の下に生まれ、
お金に何不自由しなかった人でも、
人生の最後に至って倒産したり、不名誉な目にあったり、
長患いをしたりすると、
せっかくの素晴らしい人生がパァになってしまう。
「終わりよければすべてよし」と言うけれども、
人生は終わりに近づくほど
気をつけて大きな破綻がないようにしなければならない。
お金があって、しあわせがあれば、
それにこしたことはないが、
両方とも揃うことはなかなかないものである。
二つのうち、どちらかーつを選べということになったら、
若くて野心に燃えているときなら
お金の方を選ぶかも知れないが、
人生の峠を越えてしまった人なら、
しあわせを選びたいと思うだろう。
食うや食わずの貧しい世の中なら、
貧乏こそ人類最大の敵だが、
貧乏の底辺が切り上がって、
全体が豊かになれば、
あとはどんなに大金持ちになっても生活は似たり寄ったりで、
お金の効用は逆にドンドン低下してしまうからである。
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