第146回
自分の性にあった仕事を探すのが人生最後のしあわせ その2
また、アジア交流センターというのをつくって、
情報の交換をしたり、
人材の交流にも少しばかり手をつけているから、
山の上の一滴の水がやがてせせらぎになり、
川から河になって海に注ぐようなことになるかもしれない。
一番大切なことは、どんなピンチにあっても
夢を捨てないことだと思っているから、
人が何と言おうと、一滴の水が、やがてせせらぎになり、
大河になって海に注ぐと空想するのが私の生き方なのである。
もちろん、残されたわずかな時間に
そんな大それたことができるわけではない。
第二の人生を始める人にとっては、
それが自分にとって楽しいことかどうかがもっと大切であろう。
少なくとも自分にできる範囲内で一番性に合った
楽しい仕事を選ぶことが
人生の最後をしあわせに生きる方法であることは間違いない。
そう考えて私は昨年から、足繁く上海に通うようになった。
折りから中国大陸でも、
世界的な金融不安と国営企業の不振で
千五百万人からの失業者が巷に溢れているという。
失業のことを中国ではシャーカンという。
「私も日本でシャーカンしたので、
新しい仕事を探しにきました」というと、
私の周囲の人たちはまさかといった表情で大笑いする。
自ら選んだ失業とはいえ、
私は本気で私に似合った仕事を探しているのである。
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