“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第39回
魚の卸し方の勉強

魚を捌くのは、慣れてくればそう大変ではない。
正しい捌き方を知って、あとは実技を繰り返せば、
どんな魚でも簡単に卸せるようになる。
魚を卸す技術を教える料理教室に通えれば望ましいが、
本やビデオだけの自己学習でも
そこそこに出来るようになるものだ。
最初は鯵などの扱い易い魚から入るのがいい。
慣れてくると鯛(たい)などの骨の硬い魚、鰹などの大きい魚、
ヒラメ、鰈(かれい)などの平たい魚も扱えるようになってくる。

素人が間違いやすいのは、
包丁を刃と直角の方向に無理やり押して切ろうとすることだ。
こうすると、魚肉の切れ目が滑らかでなくなる。
プロはなるべく刃に沿った方向に包丁を引きながら動かして、
無理せず切っている。
こうすることによって、断面がスムースな切り口になる。

プロでも稀であるが、魚の切れ口の目というものを熟知していて、
そこに沿って切れ目を入れる本当の名人がたまにいる。
野菜を切るときにも、
よく、家庭ではタンタンと音を立てて切ることが多いが、
これも包丁を刃と直角に使っていることになる。
プロはまな板に刃がぶつからないように、滑らせて切るので、
切り口が違う。
無理やり包丁を押して切る切り口は、
断面の細胞が押しつぶれることになって、
栄養分が流れやすくなる。
野菜を切るのは薄刃という包丁を和食では使うが、これも片刃で、
滑らせるように切るとすぱっとした断面になる。
片刃の包丁は、細かく丁寧な仕事にこだわる
日本ならではの道具だ。

他に包丁を揃えるとすると、
肉類を切るための牛刀、
小物の細工をしたりするペティナイフくらいがあれば、
どんな料理にも対応できる。
包丁を揃えると料理も楽しくなる。
長い期間使えるから投資は安いものだ。


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