“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第47回
いい蕎麦粉の仕入れが一番大切

前にも述べたが、
蕎麦切り(麺状に切った蕎麦のこと)の旨さは
蕎麦粉の質に9割以上依存する。
どんな名人が打っても、
劣悪な蕎麦粉を使っては旨い蕎麦切りはできない。
従って、蕎麦屋はいい蕎麦粉を準備することが
蕎麦を美味しく提供するための最重要事項だ。

本当にいい蕎麦粉を調達する方法は、
下記の3通りが考えられる。
(1) 良心的な製粉所から
   国内の良好な産地の玄蕎麦(蕎麦の実)を使った
   石臼挽きの粉を2〜3日に一度仕入れる。
(2) 良心的な製粉所から
   国内の良好な産地の丸抜き
   (皮を剥いた蕎麦の実)を仕入れて
   自家製粉を行う。
(3) 製粉所、または、農協または、農家から
   いい産地の玄蕎麦を仕入れる。

国内産であっても、産地によって特性は違うし、
同じ産地でも畑が一つ違えば栽培環境が全然違うことが多い。
よく、うちは金砂郷しか使わないとか、
いや、最近では水府のほうが上だという
産地名だけの能書きを言う蕎麦屋がたまにあるが、
蕎麦栽培の現場を知らずに
聞きかじりの知識を披露しているだけだ。 
また、同じ畑でも栽培者の情熱によって、
できる蕎麦は全く違ってくる。
それ故、同じ地域でも、どの農家の栽培かということで
採れる蕎麦の品質は大きく違うし、
その後の管理、流通の影響も大きい。
蕎麦の実を乾燥して水分量をどの程度にするかということが
かなり重要であるが、そこまで気にしている蕎麦屋は少ない。

つまり、前述の(1)〜(3)のどの方法でも、
産地だけではなく、畑の環境と栽培方法、流通方法を
把握することが重要だ。
特に情熱的な蕎麦屋は現地を訪問して
農家とコミュニケーションをとる努力さえしているところもある。
このようにして、玄蕎麦の確保に命をかけている蕎麦屋は少ない。


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