“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第48回
自家製粉の蕎麦屋は美味しいか?

前回紹介した手法のうち、
(2)の「丸抜きを仕入れて自家製粉する蕎麦屋」が
最近は増えてきた。
では、自家製粉と看板にかかげてある蕎麦屋なら
皆いい蕎麦屋かというと、これが違う。

自家製粉の目的は、
蕎麦粉の状態では品質の劣化が早いので、
蕎麦打ちをする直前に蕎麦粉に加工する、
ということが蕎麦粉の品質に関する一番重要なことだ。
それと、自家製製粉によって、
粉の粒度分布などを好みに設定できる。

しかし、このような真面目な動機以外で
電動石臼を設置して自家製粉している蕎麦屋が結構多い。
丸抜は蕎麦粉よりも単価が安いので、
自家製粉はコストダウンになるし、
また、石臼を看板代わりにして、
自家製粉で客を呼べるかも知れない。
そのような姑息な考えの蕎麦屋は
原材料が中国産の安いものだったり、
手打ち技術が不足していて、
つなぎの小麦粉が半分近くも入っているところもある。

さて、真面目な目的の自家製粉で重要なことは、
原材料としていい丸抜きを仕入れることと、
いい石臼を用いて適切な粒度分布の蕎麦粉を挽くことだ。
石臼は電動のものが色々なメーカーから発売されているが、
材質、重さが、目立が適切であることが必要だ。
メーカーでは日高製粉機製作所、遠藤製作所、ミツカなどがある。

丸抜きで仕入れるのと、玄蕎麦で仕入れることの違いは、
長期間の保存は殻のついた玄蕎麦のほうが劣化が少ない
という点が一つある。
しかし、もっと大きいことは、
丸抜きの仕入れでは栽培生産者の顔が見えてこないことだ。
この観点から、玄蕎麦から仕入れていて、
その栽培生産者とのコミュニケーションも計れる蕎麦屋は
一番のポテンシャルがあるわけだ。
玄蕎麦の仕入れは
一茶庵創始者の片倉康夫さんの弟子たちが盛んにしてきている。


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