“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第59回
焼酎ブームの行く末

昨年の清酒業界の二大トピックは、
ついに焼酎に消費量を追い越されたことと、
初めて月桂冠が白鶴に生産量で首位の座を明け渡したことだ。
これはともに、日本酒の低迷というところが原因となっている。

日本酒の蔵元は昔は4000以上あったのが、
いまでは1500程度に減少しており、
消費量も年々減ってきている。
逆に焼酎は昨今のブームで年々増加してきて、
逆転劇が起こった。

また日本酒の消費量の減少は
普通酒という安いカテゴリーのものが大きく、
それを大量生産している大手には厳しい状況となっている。
そのため、首位の月桂冠は
昨年は経費削減のために広告費用を相当削減したが、
それが販売量の低下となった。
白鶴は従来通りに販売促進をしていたので、
こちらも逆転したのである。

さて、焼酎ブームはまだまだ続いており、
これまで日本酒の地酒を扱っていた小売店は、
焼酎の品揃えを増やして
焼酎専門店と見間違えるかのようになったところが結構ある。
また、料飲店でも居酒屋ばかりか、
割烹、鮨屋に至るまで焼酎を置く店も増えている。

このブームがいつまで続くかというと、
私はそろそろ終結を迎えるのではと予測している。
これは、私自身が焼酎が苦手だということとは関係なく、
業界から聞こえてくる製造状況、
消費者の状況などから考えた帰結だ。

空前の焼酎ブームにより、九州の乙類焼酎の製造蔵は
これを機会にと増量をしているところが多い。
これは、蔵元がブームに乗って
儲けようとしていることだけではなく、
小売店からもっともっと多く仕入れたいという要求に、
やむなく応じているということもある。
このような九州の焼酎蔵の生産増量、
それに、本州での異常な消費状況、
この二点を考えると、
焼酎ブームは近々終焉するという風に考えられる。
詳細は次号で述べたい。


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