“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第79回
晩秋から初冬の美味

今年の蕎麦栽培は夏の猛暑はよかったのだが、
大型台風の連続上陸で例年よりは収穫量は悪かった。
先日脱穀作業を行ったが、
1反程度の畑で1俵半程度(蕎麦の1俵は45kg)と、
少ないものであった。
しかし、我々の蕎麦は逞しく育てているので、
大きめの粒の品質のよさそうな玄蕎麦が収穫できた。
今年は北海道では台風上陸で蕎麦が不作だった。
蕎麦粉が高騰しており、品質も例年より落ちるようだ。
今年は手打ち蕎麦屋がさぞかし苦労していると思われる。
読者の皆さんも、
あそこの蕎麦屋は味が落ちたなどとは言わずに、
温かく見守っていて欲しい。

11月に入ってやっと五島列島の鯔子が届いた。
こちらのほうも、台風の影響で不漁のようだ。
築地の鯔子も五島列島の鯔子も高値安定で、
しかも、品質にばらつきが見られる。
しかし、そこそこの鯔子を知り合いの鮨屋でとってもらって、
唐墨作りを行った。
塩漬け、塩抜きが完了し、現在は干す工程の最中。
完成が楽しみだ。
半分は儲けを度外視した値段で
知り合いの居酒屋に卸すことにしている。

唐墨作りが終わると、千枚漬け作りに入る。
千枚漬けも、もう何年か続けていて、
やはり知り合いの居酒屋にも卸している。
これは京都の錦市場の「かね松」から聖護院鏑を取り寄せて、
2〜3ミリに薄く切って塩水に下漬けし、
水を拭いて、昆布を敷いたパッドに重ねて、
味醂と酢をまぶし、柚子皮をちらして漬ける。
砂糖を使ってもいいが、すっきりとした旨みを出すために、
甘みは味醂だけにしている。
下漬けの塩水も薄めのほうが、蕪の素直な旨みが出やすい。
漬けるこつは、蕪の厚さをなるべく均一にして、
漬かり方を同じようにすることだ。
昨年、千枚漬け用の鉋を購入したので、
均一に綺麗な厚みの千枚漬けを作ることができるようになった。


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