“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第105回
代々木上原の美味しい店

私が生まれ住んでいる代々木上原は
昔は東京の田舎のようなところで、
美味しい店は全くなかった。
私の生まれる前の話しだが、
昆虫学者だった父は、
それまで住んでいた赤坂はもう昆虫がいないといって、
自然がまだ残っている代々木上原に引越したそうだ。

しかし、最近はまともな店が結構増えてきた。
よく行く店は中華の「JEETEN」、
それに、居酒屋の「幸」(KOU)、
ショットバーの「カエサリオン」だ。
他の店はわざわざ自宅の近くで
行くだけの価値のある店にはまだ出会っていない。
「笹吟」という割烹居酒屋がよくグルメ雑誌で紹介されるが、
酒の品揃えが香り重視、料理も綺麗な外観の割りに、
素材のよさが感じられずに、
一度行ったきりで二度と行っていない。

「青」という居酒屋が最近できたが、
こちらは「幸」がしまっていて、
かつ、自宅に食材、酒の在庫を
切らしているときにだけ行っている。
その他、フレンチ、蕎麦屋などが出来たり消えたりしているが、
当りの店はない。

グルメガイドで評価の高い割烹「一新」も
一度ランチに行ってみたが、
わざわざ自宅の近くで
夕食を食べに寄って見る気にはなっていない。
こちらは、料理がまずいといことではなく、
私自身の代々木上原という自宅の近くで食べる店として、
わざわざ行く気になる魅力が何かが分からないという意味だ。

「JEETEN」は昨年のクリスマスイブにも妻と一緒に訪問した。
吉田勝彦さんの料理は健在で、
なんといっても、オープンキッチンで
吉田さんの料理している姿がカウンターごしに確認できるので、
手を抜くことなどできようもない。
化学調味料を一切使わない料理は、
普通の中華に慣れた客には、
物足りないように感じるかもしれないが、
あれが、全うな味なのだ。
ここの中華を食べると翌日はさらに元気になるように感じる。

「幸」はもともと魚幸という魚屋が
数年前にオープンした地酒居酒屋だ。
食材は天然の魚にこだわっていて、
それを芳醇な日本酒の燗に合わせる。
焼酎も数種類あるが、私は焼酎は苦手なので、
もっぱら日本酒を楽しんでいる。
小さな8名くらいで満席になるカウンターだけの店だ。
近所で、帰りの心配をせずに楽しめる店はいいものだ。


←前回記事へ 2005年1月7日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ