“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第110回
広島の居酒屋

広島は瀬戸内の美味しい魚介類が堪能できる、
屈指の美食都市だ。
広島に住む知人と再訪したのは、「酒隷 なわない」。
こちらは佐々木さんという名物オーナーがいる有名な店で、
酒友の太田和彦さんの居酒屋ガイドにも紹介してある。

佐々木さんは飲料店をやる前は
全国の幽霊屋敷の設計をしていたという。
その経験のせいかどうかわからないが、
佐々木さんの居酒屋哲学はしっかりとしている。
毎日でもお客に来て欲しいので、
まずは、それができる安い客単価に設定しているという。
たしかに、相当食べて飲んだが、二人で9000円だった。
佐々木さんは他にも店を立ち上げたり、
つぶれそうな広島の老舗を援助したり、
広島の食文化向上に貢献している。

で、この店の売りはやはり魚介類の美味しさだ。
市場の中卸しと特別な付き合いをしていて、
最高の食材を仕入れている。
最初は鯖と太刀魚のお造りを奥播磨の燗に合わせる。
鯖は新鮮で旨みが溢れている。
太刀魚は周りを炙ってあって、皮が香ばしく、
その中の脂がとても旨い。
広島自慢の牡蠣、ナマコ。
特にナマコは秀逸。
こりっとした食感がたまらず、これだけで盃が進む。
穴子の白焼きもとても香ばしく旨い。
ご主人と話ながら飲む酒は格別であり。
佐々木さんとは意気投合。
十分に料理、酒、会話を堪能して店をあとにする。

二軒目は「だんじり」という店。
こちらは、地酒専門居酒屋だ。
二年ぶりに訪問したら、
ご主人がこちらのことを覚えていてくれて、
「先生はdanchuなどでご活躍ですね」、と言われてびっくり。
この店は地酒と焼酎の品揃えは相当こだわっている。
欠点は酒の値付けが少し高いこと。
ここでも酒談義に花が咲き、
近所の酒屋の若旦那を呼び出したりして、結構飲んだ。

広島は瀬戸内でも西のほうなので、
明石、徳島などとはまた違った魚介類の味がする。
口も心もとても幸せになった一夜であった。


←前回記事へ 2005年1月14日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ