“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第237回
鮎の季節到来

今年も鮎が旨い時季がやってきた。
しかし、今年の鮎は全国的に不作らしい。
毎年、鮎は全国の川から取り寄せて、
同時にその比較を楽しむ会を催している。
今年もそろそろ計画をする時季になってきた。

今年の鮎で、最初に旨いと思ったのは、
京都の「乃し」でいただいた、熊野川の稚鮎だった。
天麩羅で提供されたが、苔の香りに苦味が溶け込んで、
至福の思いをした。
「乃し」はご主人の矢口さんが和歌山県出身なので、
熊野川の鮎が入手できるようだ。

これまで、鮎の食べ比べで比較した鮎は、
郡上八幡、四万十川、高津川、川辺川、揖保川、那珂川だが、
我々の会では四万十川の鮎が人気が高かった。
繊細で上品な味わいだった記憶がある。
郡上八幡の鮎はたしかに旨いのだが、
いまでは高級ブランドになっていて、とても高い。
他の鮎より5割くらい高いのではないだろうか。

個人的には高津川の鮎がとてもコクがあって、個性的で好きだ。
そして、最近食べた鮎では、
郡上八幡のさらに奥の支流である馬瀬川の鮎。
コク、苦味、香りがよく、繊細さも併せ持つ。
とてもバランスのよい鮎だ。
これが徳島の人里はなれたところにある割烹の主人が
わざわざ釣りに行って提供してくれる。
毎年夏にこの割烹を訪問していたのだが、
今年は残念ながら訪問の機会がとれなかった。

鮎もどこが一番というより、
川によって個性が全然違うところが面白い。
天然鮎を何匹も食べたと自慢しているジャーナリストもいるが、
色々な川の個性を知らずして、
天然鮎を知ったことにはならない。

鮎の取り寄せは結構簡単にできる。
自宅でも各地の天然鮎を何匹か取り寄せて
家族で食べ比べてみたり、
あるいは、行きつけの料理屋に頼んで
鮎を食べ比べる会を行うことを、ぜひお勧めしたい。


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2005年7月19日(火)

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