“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第267回
バローロ地区の美味

バローロ地区はピエモンテ州のトリノ南東に位置する丘陵地帯。
エイビスで借りたベンツCクラスに乗り込み、
高速道路を通ってアスティで降りる。
その後、アルバを経由してバローロ町でランチをとることにした。

ガンベロロッソのリストランテガイド2004年版で
83点と高得点をマークしている、
『ロカンダ・ネル・ボルゴ・アンティコ』
という店がこの町にある。
以前、同じバローロ地区の
モンフォルテという町のリストランテで、
とても旨いランチを優雅に味わう経験があって、
今回のリストランテは初めて訪問するが、
その前回の店よりもガンベロロッソの得点は高いので
楽しみにしていた。

バローロ町の中心街は小さいので、
望みのリストランテはすぐに発見できた。
12時過ぎだったが、我々が他の客はまだきていなかった。
笑顔で迎えられる。
ところが、お店のオーナーらしいオジサンも、
その娘らしいお嬢さんも英語が通じない。
しかも、メニューも置いていない。
お嬢さんが一生懸命料理の説明をしてくれるのだが、
イタリー語でアンチパストがどうのこうの、
プリモピアット(第1の皿、パスタなど)、
セコンダピアット(第2の皿、メイン)
などという語句は聴こえるのだが、
何を言っているのか意味がわからない。
そこで、まあ、お勧めをいっているのだろうと、
「シー、プレゴ」とその説明の料理をお願いをした。

まずは、冷たい前菜が続く。
最初がサラミ。
これは、乾燥させすぎていなくて、
生に近いプリッとした食感がとてもいい。
ワインはネッビオーロ・ダルバをとって合わせる。
このワインはバローロで使う葡萄の品種である
ネッビオーロを使ったものだが、
熟成期間が少なくて早飲みに適している。
サラミとよく調和。

次がハムでクリームチーズを巻き、ゼリーを寄せたもの。
ゼリーとハムで醸す複雑な食感にクリームチーズのコクが重なり、
とても美味。
そしてポテトサラダ。
人参などの野菜が色々と和えてある。

前菜はこれでもかと、次々に出てくる。
茄子をオリーブオイルで単純に炒めたもの。
これも赤ワインによく合う。
赤ワインの最初の1本が空いたので、次にバローロを注文。
野菜の煮込み、カプレーゼ
(トマトとモッツァレラチーズを重ねたもの)、
ピーマンを炒めてオリーブオイルに漬けたものと出てきたが、
いずれも美味しく、バローロによく合った。

しかし、ここらへんで全部で5名だった仲間も
全員お腹が相当いっぱいになってくる。
その次がパスタ。
お嬢さんが3種類のパスタの茹でていないものを持ってきて、
どれにするか聞かれる。
ピエモンテの名物パスタであるタリオリーニを選択。
これをプレーンなものと、
トマトとバジルを和えたものの2種類をお願いした。
これが、どちらも、結構しっかりと茹でてある。
アルデンテなどという状態ではない。
しかし、柔らかい麺が口のなかで絡まりあい、
食感もなかなかよく、味わいがよくわかる。

最後のドルチェ(デザート)は、
ケーキとレモン風味グラッパ。
そして、エスプレッソで仕上げ。
さすがに、ガンベロロッソが推薦するリストランテ。
田舎にあるとは思えない都会の洗練された味が印象的だった。


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2005年9月6日(火)

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