“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第271回
ラ・カランドレの饗宴は続く

バイザグラスで提供されるワインも皆とても旨く、
料理によくあう。
新メニュー組向けと、旧メニュー組向けの2種類のワインが
毎回グラスに注がれる。

コンソメスープがまた美味。
牛舌、食道などでとったスープに野苺の甘い味付けがしてある。
甘みと酸味が肉のコクに重なり。
甘美な世界を形成している。
オレガノ粉末入りエストラゴンのリゾットも風味豊かで、
ほっとする深い味わい。

さらに、メインが2皿提供される。
肉汁にバルサメラ(ベシャメル)をからめた
パッケリ(穴のあいている短いパスタ)は
確かに肉汁がなかから溢れてくる。
そして、子牛のメダイヨン焼き、
牛乳の薄チーズとトロンベッタ茸添え。
口にすると、三味一体の味の宇宙が広がってくる。

その後、チーズの盛り合わせが提供され、ドルチェが2種類。
シャルトリューズ風味の柑橘類のグラニータ。
これは、ムースが発泡していて、シュワっと口のなかで踊る。
最後がリンゴを熱っしてつくった
ヌヴォラ(雲)という名前のデザート。
これを、デザートワインと合わせて口にして、仕上げ。

『レ・カランドレ』には夜の8時の予約時間について、
食べ終わったのは12時近い時刻になっていた。
実に4時間近い夕食だったが、時間はもっと短く感じられた。
開始から終わりまで、変化があり、時間が連続して流れている。
なにか、歌劇を見ているかのように、
机の上でドラマが進んでいく。

最後にラファイレ・アライモさんが挨拶にくる。
そしてお勘定。4名で900ユーロちょっとだった。
一人3万円を少し越す。
これなら、日本のグランメゾンで食べるより安いくらいで、
その楽しみは数倍の価値を感じる。
以前、日本にアライモ兄弟が来て、
ホテルで特別料理が提供されたときには、
一人4万5千円で満席になったそうだ。

今回はレ・カランドレのクラシックメニューを試せなかったのが、
非常に残念であり、
すぐにでも再訪したいという思いを強く残して、
レストランを後にした。


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2005年9月12日(月)

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