“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第303回
グルメの猪

馬頭で蕎麦畑を荒らした猪は、
蕎麦の実を食べにきていたことが判明した。
糞の中に蕎麦の実が入っていた。
実がなるまでは現れなかったのが、
実が熟してきて食べ頃になるときを狙ってきたようだ。
我々の蕎麦の旨さがわかるとは、相当なグルメの猪だ。

荒らされた腹いせではないのだが、
蕎麦の刈取の作業の日の昼食で猪の肉を食べる機会があった。
農作業の肉体労働の合間の食事は何を食べても美味しいが、
どうせなら、温かい手造りのものを食べようと、
七輪を2台用意してあった。
そこで、豚肉と野菜の味噌仕立ての鍋を温めて食べたのだが、
農家の方から猪の差し入れがあった。

猪鍋にするアイディアもあったが、
どうせなら、ダイレクトに焼いて食べようと、
塩胡椒で炭火焼にしてみた。
これがとても美味。
この猪は晩春に獲れたもので、肉を冷凍してあったというが、
臭みもなく、野趣あふれる旨みと香ばしさが堪能できた。
猪は臭い、だから、味噌で鍋にしたりする
と思っていたイメージがすっかり崩れた。
今回の肉は雌の猪のロースの部分。
雄は臭いが雌は旨いらしい。

今回、畑を荒らした猪は旨い蕎麦をいっぱい食べているので、
さぞかし旨いことだろう。
雌であることを祈る。
罠をかけて獲って食べようと農家の方に提案したら、
狩猟許可を申請する必要があるという。
申請できる期間が短期間でその間に餌付けをして、
罠に嵌めるプロセスを完了する必要があるので、
獲れる可能性はそう高くはないようだ。

しかし、旨く獲れれば、ロースだけでなく、
色々な部位も愉しめることになる。
レバーとか舌とか、内臓も旨そうだ。
八溝山系の馬頭には猪、猿、狸は多いが、
残念ながら熊、鹿はいない。
熊や鹿は那須・塩原・日光方面ではたまに獲れる。
狸は臭みがすごくて、お勧めではないらしいが、熊と鹿は旨い。
契約栽培をお願いしている農家の方は、
知り合いから熊や鹿も入手できる可能性もあるというので、
そちらも、ぜひ一度食べてみたいものだ。


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2005年10月26日(水)

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