“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第347回
宴は続く

お造りが提供される。氷見の鰤(ぶり)、
鳴門のサヨリ、それに赤貝。
氷見のぶりは宗玄にやはり合う。
宗玄は珠洲市で氷見のすぐ近くで、
しかも、宗玄の坂口杜氏は夏の間は地元の漁師をしている。
氷見の魚にあって当然だ。
ぶりの脂ののった旨みを
宗玄の深みのある酸が際立たせてくれる。

赤貝は韓国産ということだったが、十分な旨さ。
閖上(ゆりあげ)のものにも決してひけをとらない。
独特のこくが燗酒を進める。
サヨリは村公一さんのもの。
まずは、見た目の美しさがいい。
サヨリという魚は捌いてみると腹は黒いのが不思議。
その中身は白く、皮をむいた部分は白銀に光っている。
そして、さすがの味わい。
いつ食べても最高だ。
きわめて上品な脂が繊細な味わいを醸し出して、
プリっとした食感が官能的にさえ思える。

サヨリは同じ徳島県の50石ほどの
大変小さい造りの蔵の旭若松を合わせた。
旭若松は無骨な旨みがあり、
サヨリのしっかりとした味わいにも負けない。
やはり、地元通し。
とてもよく合う。

次に提供されたのが、聖護院蕪の煮物。
そぼろ、車海老、椎茸、菜ノ花が付け合せてある。
この聖護院蕪が煮すぎずに、
蕪本来の味を逃がさないように、煮加減が最高。
出汁の旨みもほどよく入っている。
秋鹿を合わせる。

そして焼き物は伊賀牛。
赤身の肉を本当に最低限に焼いてあり、
生に火がとおって人肌状態。
ステーキ屋でもこれほど旨く火をとおした肉は経験がない。
口にいれるとまずはタレの旨みで味蕾が刺激され、
噛むとプリっとした食感に歯が悦び、
その後あふれ出る肉汁に舌が小躍りする。

奥播磨の山廃を合わせたが、これも大正解。
奥播磨の骨太で複雑な味わいが、
飛騨牛の旨みをさらに引き出している。
そして、最後にフグの湯引き。
皮、肉、煮こごりにポンズの酸味が合わされて、
ぷりぷりと口のなかで踊っている。

食事は牡蠣の炊き合わせ。
これまた極上の味。
それまでに、相当お腹いっぱいだったが、
するすると入ってしまった。
極上の料理と極上の日本酒のマリアージュを楽しんだ一夜だった。
会話もはずみやまけんさんご夫妻も大変満足されていた。

これで、このコースが6000円、酒を合わせても一人9000円ほど。
高い和食割烹に行く気がしなくなる。
その後、近所の居酒屋「真菜板」に全員移動し、
さらに、地酒と肴を楽しんだ。


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2005年12月27日(火)

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