“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第376回
鍋の究極とは?

冬は美味しい鍋がいろいろと食べられる。
鍋は美味しいばかりでなく、
準備と片付けがそれほどは手間がかからないという利点もある。
そして、なによるも日本酒によく合う。
それで、家庭でも、宴会でも冬は鍋が定番となる。

では、美味しい鍋は何に気を遣えばいいかというと、
重要な順に

(1) 食材種類の選択
(2) いい食材の調達
(3) いい調味料の調達
(4) 味付け
(5) 煮ていくプロセス

ということになる。

最初の食材の種類は、鍋のテーマを決めることになるので、
よくよく考えるべきだ。
美味しい鍋としては、ふぐ鍋、鮟鱇鍋、
くえ鍋、鴨鍋、ねぎま鍋、すっぽん鍋、しし鍋など
色々とあげられる。
そして、それらの鍋のテーマそれぞれについて、
主体となる具に対して、野菜などの従となる具の選択も重要だ。

鍋に適した具として、
白菜、人参、大根、葱、玉葱、ホウレンソウ、
春菊、椎茸、ナメコ、エノキダケ、シメジ、
豆腐、糸蒟蒻、葛きりなどが挙げられる。
これらを、どのような組み合わせがいいかを
あまり考えずに入れることを
大抵の人はしているのではないだろうか。

これらの、従となる具は、
主となる具とお互いに旨さを引き立てあう役割がある。
ふぐ鍋で白菜はふぐの旨みを吸収すると同時に、
ふぐにやわらかい旨みを与えている。
鴨鍋の葱もお互いの香ばしさが調和して、
うまさのハーモニーを生み出している。

それゆえ、具の種類は極力少なくしぼる方が、
鍋のテーマがはっきりとした味になり旨い。
そのような意味で、
主体の具がたくさんある寄せ鍋を私はあまり好きではない。
究極の鍋といえば、湯豆腐につきると考えている。
私の場合は、豆腐、甘塩タラ、椎茸、三つ葉の主の具1品、
従の具3品で作るのが好きだ。
カルテットの演奏のように、
豆腐のソロに他の3品がバックをつけて、
絶妙なハーモニーとなる。

豆腐はもちろん、日本いちの宮城屋さんのもの。
まず、羅臼昆布などの旨みのある昆布で出汁をつくり、
昆布は取り出しておいて、
そこに豆腐、タラ、椎茸を入れて、ただ煮るだけ。
タラはいちど湯引きしておいたほうが臭みがとれる。
椎茸の厚めのものを使い、十字に包丁を入れて煮やすくしておく。
漬けタレは、その汁に初雁醤油を合わせたもの。
それを椀に入れて、鍋の中央に置いて、
タレが冷めないようにしておく。
このタレに豆腐やタラをつけて取り分け、熱々の状態で食べる。
さらに燗酒を合わせれば至福の幸せ。
身体も心も暖まる。
なお、調味料、食材の取り寄せ情報を
最近ホームページに掲載しているので、
参考にしていただければ幸いだ。


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2006年2月6日(月)

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