“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第413回
鰹出汁だけが出汁ではない

妻が珍しく友人と1泊旅行に行くことになった。
滅多にない機会でこちらも美食の旅に出たいところは山々だが、
自宅で買っている猫3匹の食事のケアをしなければならないので、
宿泊は無理だ。
そこで、初日は前回紹介した野菜栽培に栃木に出かけて行き、
翌日は自宅で料理を作り妻を待つことにした。
日ごろ一人で好き勝手やっている感謝を表す意味もある。
そのメニューを色々と考えていたが、
旅の疲れを癒す温かみのある料理で迎えることを
基本コンセプトに設定した。
それには、奇をてらわず、
自然な食材を自然の出汁で美味しく食べる料理にすることにする。
前日に大根などの自然食材が入手していたので、
その活用も考えた。

結局は、3種の出汁を使った、次の料理をつくることにした。

・ 鰤大根(鰤と昆布の出汁)
・ 湯豆腐(タラと椎茸、昆布の出汁)
・ 砂肝蕎麦雑炊(鶏ガラと砂肝の出汁)

そして、その日に手間隙かけた最高の料理を出そうと決意した。
自宅には、大根、椎茸、自家栽培蕎麦があったので、
残りの食材である、鰤とタラの切り身、
砂肝、鶏ガラなどを笹塚のクイーンズ伊勢丹で、
そして、宮城屋の豆腐をリマ東北沢で購入してきた。
タラは甘塩タラを買うほうがあとの手間はいらないが、
生タラのほうがよさそうだったので、そちらを購入。

自宅でまずは塩をして、冷蔵庫に入れて2時間寝かしておいた。
まずは、鶏ガラで出汁をとる。
一度湯引きしておいて、それから鍋でことことと煮る。
今回は野菜は一緒にはいれずに鶏ガラだけを使った。
そうしている間に他の仕込みを進める。
鰤大根も、まず最初は鰤の湯引きと大根の下茹でから始める。
塩で〆たタラはやはり湯引きをしておく。
今回の出汁3種類全ては、
まずは食材の湯引きからスタートしている。
そして、妻が帰る予定の時刻が刻々と迫ってきていた。


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2006年3月29日(水)

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