“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第425回
酒肴の工夫を愉しむ

錦糸町『井のなか』の工藤店長から、
まずは五穀家時代に山廃のスペックに合う酒肴に悩んでいたときの
アドバイスを感謝される。
そのときは、高田馬場『真菜板』での試作の経験をもとに、
果物とゴルゴンゾーラなどのチーズの組み合わせなどどうか、
と回答した。
それがとても当たって、山廃が多いに売り上げを伸ばしたという。

今回は、丁度翌日にグルメ雑誌の取材があり、
そのメニューの試食をして意見をきかせてもらいたいとのこと。
これは、客冥利に尽きる話で、引き受けた。
まずは、果物とゴルゴンゾーラというアドバイスから
試行錯誤して完成させたという林檎のタルトに
ゴルゴンゾーラチーズのムースをつけて食べるもの。
軽い酸を感じさせる林檎の風味と
ゴルゴンゾーラムースの重みがいいバランスとなっていて、
確かに山廃によく合う。
開店したてで、
酒肴のコンセプトがしっかりとしている感想を述べる。

次の相談が、さきほどの鶏のレバパテのガーリックトースト添え。
これがワインベースの味付けと、神亀の仙亀ベースのものがあり、
仙亀ベースのものが味がぼけるという。
確かにその通りで、ワインベースのものに比べて、
酸味が不足していて、味の立ち上がりが鈍い。
そこで、酢橘などの柑橘類を加えて、
さらに山椒か胡椒か唐辛子か、スパイスを混ぜればどうか。
あるいは、これらに変えて、
柚子胡椒だけを加えるのでもいいかとアドバイスをする。
柚子胡椒は残念ながらなかったが、
酢橘と山椒の粉をまずはレバパテにかけて試食し、
確認したところ、味の立ち上がりにメリハリがでてきた。
工藤店長にも試食してもらう。
工藤店長は納得して、
五十嵐料理担当とキッチンの奥に行って、
レバパテを試行錯誤で作っては味見をしている。
そして、ついに満足できるレバパテができたようで、
完成品を再度持ってくる。
とてもバランスのいい逸品に仕上がっていた。

錦糸町での試食はまだまだ続いた。


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2006年4月14日(金)

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