“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第434回
海藻の旨さ

以前、銀座「こびき」の紹介のなかで、
佐渡の『ナガモ』という海藻を紹介した。
これが、東京湾などの瀬にも生息している
『アマモ』と同じ海草と書いたところ、
読者である福岡県水産海洋技術センターの寺井千尋さんから、
ナガモは海藻、アマモは海草で種類が違う
というご指摘をいただいた。

確かに、よく調べずに執筆してしまって、ご指摘の通りだった。
海草は種子植物で、陸上の植物と同じように根がしっかりとある。
ナガモはホンダワラの仲間で正式名称はアマモクと呼ばれる。
東北ではギバサとも呼ばれている。
海藻類の根は岩に固着するだけのもの。
全く違う種類だった。
寺井さんのご指摘に感謝して、訂正したい。

さて、その話を聴いて、
再度ナガモ、あるいは、アマモクが食べたくなった。
ネット検索をしたところ、宮城県の業者のものが美味しそうで、
早速「ギバサ」と「メカブ」を取り寄せてみた。
ともに、冷凍になっている。
これを解凍して食べ比べてみた。

「ギバサ」は癖が無い淡白な味で、
抵抗感なく、するすると食べられる。
さらに醤油をかけてみると甘みがでてくる。
それに、胡麻油を加えてみる。
風味が加わり、相当いい酒肴になった。
あわせた酒は宗玄の無濾過生原酒山田錦。
宗玄の深みとギバサの繊細な甘みがよく調和する。

次にメカブと味を比べてみた。
メカブはこうしてギバサを食べたあとでは、
独特のコクを感じられる。
メカブにも醤油と胡麻油を和えてみると、
さらに、メカブのコクが前面に出てくる。
こちらも、十分に美味しい酒肴だ。

さて、料理に使うとどうかということを考えると、
その使い道が違うようだ。
メカブはそのコクを活かすために、
ある程度合わせる相手の食材や調理法を限定しそうだ。
これに対して、ギバサは癖がないので、
どんな食材にも合いそうだし、どんな調理をしてもよさそうだ。
2種類の海藻比べはなかなか面白かった。
そのうち、他の海藻も色々取り寄せて、
調理も工夫して試食する会なども開催してみたいものだ。


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2006年4月27日(木)

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