“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第443回
ゴールデンウィークのグルメ旅

ここのところ、家族で旅行する機会がなかなかなかった。
ゴールデンウィークの連休を利用して、
久しぶりに、妻と母と3人で
どこかに旅行に行こうということになった。
できるなら、なるべく美味しい夕食を出す宿に行きたいのだが、
母が高齢で足が弱っているので、日本旅館は無理。
移動に時間がかからないところという制約もあり、
選択肢はあまりない。
ということで、箱根の小田急「山のホテル」の
2食つきパックで1泊することになった。

出発の日の朝は全国的に雨で、東京では雷が鳴っていた。
お昼に箱根に到着。
昼食は箱根湯元ホテルが経営している「暁庵」で蕎麦。
広尾の「箱根暁庵」も同じ経営で、
こちらには何度か蕎麦を食べに行ったことがあるが、
箱根は初めて。
国道から湯元温泉への脇道へ入ってぐねぐねと行った先に
箱根湯元ホテルがある。

駐車場に車を止めて「暁庵」の看板がある入り口から入ると、
店内は簡素なしつらえ。
店内はほぼ満席状態で、
奥の12名座れる大テーブルの席に案内される。
もと山県有朋の別邸であった庭園に面していて、
天気がよければ庭の散策が気持ちよさそうだ。
蕎麦のお品書きも極めてシンプル。
冷たい蕎麦切りが「せいろ」、「鴨汁そば」など数種、
温かい蕎麦切りは「かけ」、「淡雪(トロロ)蕎麦」、
「鴨南蛮」など数種、
それに、「自家製豆腐」、「蕎麦味噌」といった酒肴。
「せいろ」か「かけ」に「自家製豆腐」、「蕎麦味噌」、
「お漬物」、「蕎麦粉のケーキ」がつくセットが1500円で、
それを注文した。
私は「せいろ」のセットにして、
それに、「トロロ蕎麦」を追加。

蕎麦はしっかりとした風味があり、
いい蕎麦粉を使っていることがよくわかる。
汁は高橋邦弘さんの弟子だけあって、
翁・達磨グループの味で、ややまったりとしているが、
蕎麦切りの味わいをよく引き出している。
豆腐、蕎麦味噌、ケーキも美味しかった。
ただし、車の運転をしていたので
アルコールを口にできなかったのが唯一心残りではあった。

「暁庵」を後にして、旧道を通って元箱根へ向かったが、
霧がどんどんと濃くなってきた。
前方30mくらいの視界で、対向車の有無を確認するのが大変。
運転に夢中になっていたにもかかわらず、
寝酒で飲もうと買っておいた
秋鹿山廃純米大吟醸を家に忘れてきたことに、
ドライブの途中で気がついた。
これは、箱根の酒屋で何か買うしかない。
しかし、許容できるものが入手できるかどうか不安。
そうしているうちに、小田急「山のホテル」に到着した。


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2006年5月10日(水)

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