“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第445回
ホテルの懐石コースと朝粥

山のホテルでは、夕食は和風、洋風を選択でき、
レストランの場所も違う。
今回は懐石コースをお願いしてあった。
ホテルに到着時に予約をしておいて、遅めの夕食となった。
和食レストランは10組くらいの客でいっぱいとなる大きさで、
予約時間をずらすことによって、調理の対応をしている。
一度に大量の焼き物、揚げ物などをやるわけでないので、
その点は安心できる。

最初は八寸から。
そして、煮物椀、焼き物、炊き合わせ、
油物、止肴、食事、水菓子と続く。
味は安定していて、食材もまあまあのレベル。
しかし、お造りは鯛の松皮など火が通り過ぎでいまいちだった。
日本酒は注文したいものがあまりないので、
何を頼むか随分迷ってしまった。
結局、燗酒として1種類だけ書いてあった
「中屋」というのをまず注文。
しかし、アルコール添加のひっかかりが多く、あまり進まない。

次に、冷のページに書かれていたなかから、
まだましかと、黒龍純米吟醸を選択。
黒龍はかなり昔はいい造りをしていたが、
増石してからは、味が平板になったので、
しばらく飲んだことはなかった。
今回のは、とても意外。
というのは、薄い味かと予測していたのが、
反対に味が結構濃い。
しかし、ひっかかりが結構あって、
結局は珍しく全部で2合も飲まないことになった。

部屋へ帰って丹沢山で口直しと思ったのだが、
丹沢山も「隆」という普段飲んでいる銘柄とちょっと違って、
やや麹臭さが目立つ。

翌朝はうって変わって好天気。
芦ノ湖の上を青空が広がり、すぐ近くに富士山を望める。
山のホテルの庭も朝日で輝いていたが、
残念ながら名物のツツジはまだほんの僅かしか咲いていない。
朝食は朝粥を選択。
温泉玉子、虹鱒刺身、焼き魚、塩辛、山葵漬けなど、
色々なおかずに彩られて、なかなか美味。
朝粥は梅風味の餡をかけて食べる。
ゆっくりと朝食を愉しんだ。

チェックアウトが12時なのもゆったりできて嬉しい。
そして、オーベルジュ・オーミラドーへ向けてホテルを後にした。
オーミラドーは、レストランとして
勝俣シェフが開店したばかりの頃はよく行ったが、
宿泊設備、結婚式披露宴設備ができて、
大きくなってからは初めて。
期待と恐れを抱きながら向かった。


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2006年5月12日(金)

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