“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第457回
驚異の味「くれないの豚」

豚肉をブロックでいただいた。
錦糸町「井のなか」の工藤さんの口ききで、
鹿熊種豚場からロースとバラ肉をそれぞれ2kg強も届いた。
しかも、これは「井のなか」でも滅多に入らない
「くれないの豚」だという。
頼んでもなかなか送って“くれない”ので、
「くれないの豚」だというのかと思っていたら、
肉をみると綺麗なピンク色をしている。
早速切って試食をしてみた。

まず、初日は単純な塩焼きにする。
厚めに切った豚ロースのステーキは、見事な脂が美味しそう。
端のほうの脂と肉が一緒についている切り身をまず口にする。
脂の旨みが凄い。
強い味ではなく、繊細で綺麗な味なのだ。
しかも、その脂が後まで口のなかに残ることがない。
旨みが溶け込んで、消えていってしまう。
まるで、切れのよい日本酒を飲んでいるみたいだ。

肉自体も十分すぎるほど旨い。
芳醇な味わいの肉汁が噛むほどに口のなかに溢れでてくる。
こんな凄い豚肉は初めてだった。
合わせたのは奥播磨山田錦八割磨き。
肉の脂分と実に相性がいい。
切れあがりのする酸味が肉の旨みを引き立たせる。
翌日は豚カツに妻が揚げてくれた。
妻は豚カツが結構得意で、実に旨く揚げてくれる。
ステーキとはまた違って、肉の柔らかさが際立ってくる。
噛むと脂と肉の両方の旨みがじゅっと出てくる。
これほど旨い豚カツは専門店でも食べたことがなかった。
バラ肉は煮込みをいただいた。
薄く切るのが難しいこともあって、
妻が全部煮込んでしまっていた。
本当は焼いても食べてみたかったが、しょうがない。
バラ肉も旨みがあふれている。

工藤さんに電話をして、
まずは、豚肉のヒミツを聴こうとしたら、
よくわからないけど、滅多に入らない豚らしいという。
そこで、お礼も兼ねて鹿熊さんに電話をしてみた。
鹿熊さんの説明では、
豚の品種があまり市場にでまわらないものらしい。
そこで、さらに詳しく聴くために
鹿熊種豚場を訪問することにした。


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2006年5月30日(火)

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