“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第494回
シチリア料理を堪能

アルキメーデのリエットと前菜だけでも、
ワイン1本あけられるくらいの、
味のバリエーションとボリュームがあった。
野菜は「井のなか」と同じで、三浦半島の長島農園からのもの。
茄子が美味しかった。
ピーマンの菜を使ったソースなどもユニークで旨い。

最初のパスタは手打ちタリアテッレのトマトソースのものを選択。
このトマトが同じく長島農園のもので、とても自然の味で旨い。
トマトソースは仕込んでから時間を置いたものと、
火にかけたばかりのフレッシュなもの
2種類を合わせているそうだ。
それで、こくと深みがあり、
それでいて、フレッシュな香りも併せ持つという、
立体的な味が愉しめる。

ワインは、ドンナフガータの赤、タンクレディを注文。
6800円の値付けは市価の約2倍と良心的。
骨格がはっきりとしていて、
重シェフの渾身の料理をよく引き立ててくれる。
メインの鹿熊牧場の豚には脱帽。
カシラ、ハラミ、ロースと3種のローストだが、
カシラの脳幹をゆさぶるような鮮烈な味わい、
そして、ハラミの奥深さ、ロースの落ち着いた味わいと、
違いが愉しめた。

さすが、鹿熊さんの育てた豚。
柔らかく、味わい深い。
錦糸町「井のなか」で食べるのとまた違った趣がある。
メインの後に乾燥パスタ。
今回は海胆のスパゲッティを選択。
アーリオオリオに海胆を乗せてあるだけ。
海胆のダイレクトな味がスパゲッティに絡み、
つるつるとした麺の食感が加わって、
口のなかに幸せがあふれてくる。
ドルチェはティラミス、パンナコッタ、など4種類の盛り合わせ。
こちらもとても満足できた。

これで、6000円の価格設定は本当に安い。
しかも、ボリュームたっぷりで、全部は食べきれず、
かなり残りものがでて、お土産にしてもらった。
ボリュームはもっと大幅に少なくしてもいいのではと感じた。
最後のエスプレッソもとても深みのある味わい。
食べ終わった満足感がとても心地よい。
アルキメーデはすぐにイタリアン好きの間で噂が広まり、
連日満席の店になりそうだ。
今後の進化もとても愉しみで、
月に一度くらいは、わざわざ行ってみたい店だ。


←前回記事へ

2006年7月20日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ