“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第499回
壱岐の天然鰻は妖艶な味

渋谷の女性企業家の方が
月に一度ひらいているサロンに先月参加したが、
今月は壱岐の天然鰻を炭焼きにするという案内を受け取った。
それに、貝柱の粕漬け、佐渡の河豚の卵巣の粕漬けなど、
珍しいものが提供され、
それに合う日本酒も選定してほしいと頼まれた。

これは、行かないわけにはいかない。
参加するには一人一品づつ持ち寄るのがルールという。
早速、日本酒の銘柄を選定して、酒屋から送ってもらい、
持ち寄り品を考えたあげく、自家栽培蕎麦の実にして参加した。

約束の時間ちょっと前に会場に到着。
若い女性二人が忙しく準備していた。
一人は壱岐で料理修行をしてきたAさん、
もう一人は佐渡出身でやはり料理修行をしているGさん。
その日は、この二人が料理担当だった。
そうしているうちに、参加者も三々五々集まってくる。
だいぶ集まったところで、主宰者が乾杯の音頭をとる。
まずは、トマト、茄子などの前菜に
参加者が持ってきた地ビールを合わせてスタートした。

そして、佐渡の河豚の卵巣の粕漬けと貝柱の粕漬けをいただく。
これに合わせたのは、奥播磨山田錦八割磨き。
深みのある酸がでた味わいが粕に合うと考えて選択したのだが、
思惑は当たった。
参加者からも、こんな美味しく感じる相性は初めてだ
と絶賛の声があがる。
そして、いよいよメインの壱岐の天然鰻が、
白焼きとなって提供される。
これは、Aさんが玄関先で炭焼きしたもの。
醤油をつけて口に入れる。
脂が少なく、すっきりとした味わい。
やや炭火の火力が足りないか、
表面がぱりっとした食感がいくらか不足。
それでも、旨いことに変わりは無い。

鰻に合わせたのは、
悦凱陣の赤磐雄町を使った純米無濾過生原酒。
こちらもなかなかの相性。
鰻の上品な旨みが悦凱陣によって、持ち上がってくる。
次が蒲焼。
タレの味が鰻の旨さを増幅して、
それをさらに、悦凱陣のしっかりとした味わいが包んでくれて、
柔らかい相性を示している。

その後、持ち込んだ自家栽培蕎麦の実を
塩だけで炒ったものを作って提供。
フライパンに蕎麦の実を入れて、
強火で蕎麦の周りに均一に火がとおるようにする。
こうして、狐色になったら完成。
香ばしさと、カリッとした食感に一同びっくりしていたようだ。
最後に蕎麦雑炊を作る。
こちらは、佐渡のアゴで取った出汁をベースに
調味した汁とあわせる。
こちらも好評だった。

壱岐と佐渡の幸に個性派地酒を合わせて、愉しい会となった。


←前回記事へ

2006年7月27日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ