“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第507回
今年の天然鮎の会は盛況

7月末の日曜の昼過ぎから
「天然鮎を食べ比べる会」は開始された。
定刻少し前に妻と一緒に会場である池袋「坐唯杏別館」に到着。
もうすでに、席の大半が埋まりつつある。
すぐに全員集合となり、会がスタートした。

「坐唯杏」の武内さんの準備してくれた天然鮎は次のとおり。
・ 揖保川(兵庫)
・ 仁淀川「によどがわ」(高知)
・ 熊野川(和歌山)
それに、もう1種鮎が準備されている。
最上川の鮎という。

4種の川の鮎を焼く前に見比べる。
姿、形、色と全て異なっている。
いずれも、流麗で雅。
和服を着た女性のような、ほのかな色気が漂っている。

まずは、鶴齢純米無濾過生原酒で乾杯。
前菜に焼き枝豆が提供される。
ふわっとした甘みに、胃が刺激されて、食欲が沸いてくる。
最初に提供された焼き鮎は、最上川。
頭からかぶりつくのが常道。
頭からも苦味を感じる。
これに鶴齢の酸味がからんで、苦味を旨みにかえてくれる。
腹の苦味がまた心地いい。
久しぶりの鮎で、一番バッターとしては、
脂も少なめであっさりとした味わいがとてもいい。

ところが、腹を食べ終えて、尻尾のほうの身に移ると、
やけにさっぱりとしていて、味がだんだんなくなってきている。
これは、初めての経験。
あとで武内さんに聴くと、この最上川の鮎はなんと養殖だという。
脂が少なかったので、誰もが天然鮎と勘違いをしていた。
養殖鮎でも相当美味しいものがあることを再認識した。

そして、同じ最上川の鮎のセゴシが提供される。
これは酢味噌で食べる。
セゴシとは骨ごと切った鮎のぶつ切りだが、
新鮮な鮎でないと駄目だ。
今回の最上川の鮎は活きている状態で入ったという。
骨のまわりの旨みを酢味噌がよく引き出していて旨い。
骨の部分は包丁の背で叩いて、
口のなかでひっかからないように配慮をしている、と武内さん。
そして、蕗とバラ肉、揚げの煮物が提供され、
その後の天然鮎への期待がいよいよ高まってきた。


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2006年8月8日(火)

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