“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第568回
今年は蕎麦の当り年

今年の蕎麦栽培活動もほぼ完了した。
先日は栃木県芳賀町の畑の蕎麦の脱穀を行った。
今年は台風が来なかったので大豊作。
1反の畑で3俵の蕎麦が収穫できた。
蕎麦の1俵は米とは違い45kgであるので、
合計135kgほどになる。

おそらく、我々の畑だけでなく、
全国の蕎麦の産地では豊作のことであろう。
これは、近年ない蕎麦の当り年になりそうだ。
蕎麦は米以上に当たり外れが大きい。
雨が多い年は量も質も期待はできない。
他花受粉で虫が飛ばないと実らないのと、
湿った土は根腐れを起こすからだ。
夏は燦燦と太陽が照り、
秋に花が咲く頃に雨が少ないことが望ましい。
今年は全国的にその傾向があるので、
どこの産地の蕎麦も収穫は多く、品質もいいことが期待される。

我々もあとは、
馬頭の蕎麦の脱穀が雨のために遅れているだけで、
それが終われば、あとは再度実の状態で天日干しにして、
水分量を調整して、玄蕎麦のできあがり。
それを皮むきして丸抜きになり、
それをさらに製粉すれば蕎麦粉になる。

雨で何故遅れたかというと、
刈取りしたあと、蕎麦は竹などの長い棒を横木にして、
そこに実の側を上にして立たせておく。
この天日干しによって、
蕎麦の茎のなかの栄養素が実に全てまわり、実は旨くなる。
ところが、この天日干しをして、
脱穀をする前日に雨が降ってしまって、
蕎麦が濡れた状態になってしまった。
脱穀というのは棒で蕎麦の束を叩いて実を落とすのだが、
これが乾燥した状態では面白いように実がパラパラ落ちる。
ところが、濡れていると、
いくら叩いても実はあまり落ちないので効率が悪い。
そこで、乾くまで待つことにしたわけだ。

いつ食べるのが一番旨いかというと、
収穫したばかりより、いくらか月日が経ったほうがいい。
蕎麦は刈り取られてからも熟して旨みがでてくる。
12月から2月くらいが最高に美味しい。
だから、新蕎麦が旨いというのは間違いだ。
今年の自家栽培の蕎麦は
量・質ともに最高のものとなることが予測されるので、
知り合いの蕎麦屋さんたちにも分ける予定だ。
そして、できれば一番蕎麦の旨い頃に、
自家栽培蕎麦を自分で手打ちにして、
読者の皆さんにも愉しんでもらう
「超美食会」の企画を実現したい。


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2006年11月1日(水)

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