“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第609回
アサクサノリ漁場見学と試食会

アクアラインのすぐ脇にアサクサノリ漁場が広がっている。
そこらは、水深は2mもないようで、
竿が等間隔に何本も並んでいる。
その竿の間に網を水平にはり、海苔の種が植えてある。
網は水面すれすれに張ってある。
そうすると干潮のときには、
網が水面から上に出て太陽の光をいっぱいあびる。
海苔は乾燥しても生き延びれるが、
他の海草は水分が無くなると枯れて駆逐される効果、
それに、陽の光を浴びることによって、
海苔は旨くなるという効果で、一石二鳥ということだった。
波にあおられて、竿の間に黒い色の網がたまに姿を現す。

ただし、このように水平に網を張ると、
単位面積あたりの収穫が減るので、
最近はこの手法はあまり見られないらしい。
6名の漁師は違う場所を漁場としていて、
それぞれの場所に応じて、
アサクサノリの味が違うという説明があった。
収穫は専用の船舶を使い、
掃除機のようなもので自動で行うとのこと。
そうすると、その後の海苔の加工も人手を介さずに
ほとんど自動でパックに入れるところまでできるそうだ。

およそ40分ほど、漁場を見学させてもらった。
その間に、いつしか太陽が顔を出し、
気温も暖かくなってきていた。
漁港に船は戻り、試食会の会場へ移動するという。
そうしたところ、その会場はなんと
昼飯を食べた民宿「与兵衛」の2階ということで、
自家用車で移動する。

まずは、主催者からアサクサノリの養殖の経緯などを
パワーポイントでプレゼン。
2001年に養殖を開始し、最初の2年は失敗。
2004年の秋にようやく6名中一人が成功。
2005年には全員失敗。
そして、今年の2006年は6名中4名が成功したというくらい、
養殖が難しい。

それぞれの生産者の海苔を
かわるがわるコンロで炙って試食した。
雑味が少なく、深みのある甘みに懐かしい味を覚える。
確かに生産者によって、微妙に味が違う。
海苔の世界も農業にとてもよく似ている。


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2006年12月28日(木)

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