“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第610回
今年のグルメ総括

今年も残すところ、あと僅か。
今年も新しい美味しさや、
それに携わる人たちにたくさんであった。

料理屋関連では、
錦糸町「井のなか」と新橋「久」の開店がとても嬉しい。

食材としては、鹿熊養豚所の豚肉。
特に春にいただいたデュロック単一種は衝撃的な旨さだった。
肉本来の旨みが上品な脂のなかから溶け出てくる感覚は、
まさに至福。

自分自身の活動としては、
今年は馬頭の里山で椎茸栽培も開始した。
仕込みは全て終わったので、
あとは来年の3月から4月の収穫を待つのみ。
馬頭での里山活動は今後どんどん広げて、
いつか、農村と都市を結んで、
農村の活性化に貢献できればと考えている。
蕎麦栽培の今年は台風が通過せずに、豊作だった。
これは、日本全国でそうらしい。
蕎麦栽培も十年以上やってきて、
いくらか穀物栽培が分かってきたかと思っていたら、
新しい発見もあった。
今後がまたとても愉しみだ。

日本酒は、やっと低迷を脱しつつあるようだ。
燗酒も結構はやるようになり、
一般雑誌でも燗酒特集を組むようになってきた。
しかし、いまだ全日本酒のうち9割は
アルコールを過剰に添加した普通酒なのは残念。
「夏子の酒」を書いた尾瀬あきらさんとこの話をしたときには、
「『夏子の酒』を書いたのはなんのためだったのだろう?」
という言葉が返ってきた。
純米酒、本醸造などの特定名称酒のなかを見ても、
本当に熟成に耐えて燗にして旨い酒は
20銘柄に一つくらいしか見つからない。
そのいい酒を燗にしてくれる居酒屋は200軒に1軒くらいか。

今年一年間美味しいものを食べ続けて、
あらためて感じることは、
このような日本の伝統を受けたいい食材が
いまの政策のままでは、
どんどん無くなっていくのではないかという危惧だ。
現に農村には跡継ぎがいないし、
漁業もどんどんと人口も漁獲量も減っていっている。
新年には、農業、漁業の復活へ何か貢献したいとも考えている。


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2006年12月29日(金)

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