“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第652回
小滝橋「岸由」で至福の懐石コース

拙著「世界一旨い日本酒」(光文社新書)が
ようやく重版となることになった。
初版を出版したのは2005年の6月。
2万部という、新書でも珍しい多量な部数であり、
こんなに出して売れるのか、という心配があったが、
やっと在庫がなくなったようだ。

「蕎麦屋酒」(光文社新書)のときは、
初版は1万2千部で、こちらもかなり多い部数だが、
幸い4版まで版を重ねている。
「世界一旨い日本酒」のほうは、
爆発的に売れるということでもなく、
地道に売り上げ部数を伸ばしてきたようだ。
反響も色々な方面から聞こえてきていて、
購入していただいた読者の皆様と、
売っていただいた書籍小売店の皆様には、
本当に感謝している。

さて、この本にも取り上げた小滝橋「岸由」で、
極上の懐石料理と純米無濾過生原酒を愉しんだ。
「岸由」は懐石コースが6000円からで、
これでも十分満足はできるが、
今回は、一番高い1万円のコースを今回は試みてみた。
普段はカウンターをお願いすることが多いのだが、
今回は茶室で落ち着いて料理をいただくことにした。
前菜はカラスミ、蛍烏賊、ツブ貝、菜の花、
蚕豆、海鼠のクチコ和え、鳴門若布などが、
綺麗に盛り付けられている。
カラスミは瀬戸内海の鯔子を使ったということで、
旨みたっぷりの上品な味わいだった。
他のものも食欲を呼ぶ逸品ばかり。

日本酒は十旭日の十年古酒に、
自宅で寝かした大七生もと極上十年古酒を持参。
そして、次がお吸い物で、天然蛤と筍。
繊細な味わいを愉しむ。
刺身は鯛とアオリイカにアオヤギ。
さらに、サクラマスの焼き物がまた旨い。
そして、村公一さんのベストというニベ。
以前正月に送ってもらったことがあり、
その旨みには感動した魚だ。
そのときは刺身で食べたが、今回は椀に。
これがまた、出汁がほどよく絡み極上の味。
最後は、大学で打ってきた自家栽培蕎麦を茹でていただく。

すっかり満足して店を後にしたら、
デジカメを席に忘れてきてしまった。
そして、その後デジカメを取りによったら、
そのときに、たまたま入っていたスッポンを
ご馳走していただいた。
3時間ほど水と酒で煮てから
半日は置いてなじませるという。
このスッポンはまた最高。
神田「新八」も旨いスッポンを出すが、
岸由のものは、上品で繊細。
デジカメを忘れて本当によかったと思える一瞬であった。


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2007年3月6日(火)

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