“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第665回
幻の蟹の旨さに驚愕

これまでに、蟹は随分食べてきて、
美味しさを十分理解していたつもりになっていた。
しかし、今回いただいた蟹は、
これまでの経験にはない味わいを感じた。

水産総合研究センターの有志を集めて、
これまで数回開催してきたという海産物の試食会に参加した。
場所は新宿歌舞伎町の「はつもみぢ」という割烹。
ビルの3階にあるが、
創業35年の年季を感じさせる落ち着きがある。

水産総合研究センターは水産庁関連の独立行政法人。
水産基本法に述べられている
「水産物の安定供給の確保」と
「水産業の健全な発展」に貢献するために、
水産に関する基礎から、
応用、実証まで一貫した研究開発と個体群の維持のために
鮭・ます類のふ化・放流などを総合的に行っている。

その水産総合研究センターの小松正之理事は、
日本での鯨の第一人者であり、
IWCでも日本の発言を強く主張している。
その小松さんが、水産物の現場を知らずに仕事はできないと
職場の有志を集めて開催している試食会は、
これまで、鯖、鮪、鱈などをテーマにしてきたそうだ。

試食の食材は、漁師を指定して、会場に直送という。
そして、今回の蟹のなかでの目玉は、「ベニマツバ」という。
ズワイ蟹の仲間では、ベニズワイがあるが、
ズワイに比べて値段が安く、味が落ちると思われている。
ベニズワイも十分美味しいのだが、
このベニマツバというのは、実はズワイとベニズワイの混血。
ズワイとベニズワイの両方の性質を兼ね備えていて、
その味はブランドズワイを超えるという。
しかも、ベニズワイは生息域が非常に限られていて、
市場にはズワイという名前でしか出ないので、
水産業界でも知らない人が多く、
一般人が食べられる機会は稀である。
私も、このベニマツバのことは、今回初めて知った。
そして、試食会が開始された。


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2007年3月23日(金)

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