“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第670回
新宿御苑「シェフス」で中華は上質の味わい

まず、「上海風ソーセージ」が前菜として提供された。
「上海風ソーセージ」は
濃い赤褐色のものが輪切りになっていて、
白髪葱が添えられていて、
豆板醤の類か、辛いタレも別な皿に用意されていた。

まずは、ソーセージだけを口に入れる。
粗挽きの食感で、ちょっと甘みのある味わいが面白い。
これだけだと、ちょっとバランスが悪いが、
白髪葱と一緒に食べると、
葱の香りがソーセージの臭みを抑えて、
かつ、シャリっとした食感と辛味で、
ソーセージは爽やかな味わいに変身する。
さらに、辛味のタレを漬けて食べてみる。
ソーセージと葱とタレが、甘み、辛味、ピリ辛味と
味わいのハーモニーが口の中で響いてくるよう。
絶妙のバランスだ。
ビールもよくあうが、
紹興酒の10年古酒がこれまたよく合う。
熟成の香味が、
ソーセージからさらに味わいを引き出してくれている。

次が「辣白菜」。
これまた食欲を刺激してくれる。
白菜は、スティックのように切ってあって、
その固めのシャキっとした食感がたまらない。
噛むと、まず白菜の甘みが口のなかに滲みだしてくる。
最初はタレの醤油味だけが追いかけてくる。
そのあとで辣の辛味が徐々に効いてくる。
喉を通っていった後の余韻がとてもバランスがいい。
そして、それに合わせて飲む紹興酒がまた進む。

最初の二皿だけで、店の実力がよく分かった。
そうしているうちに、お客が次々と訪問して、
いつしか店内は満席になっていた。
隣の客が注文していた「赤ピーマンのマリネ」が
見事な赤い色をしていて、美味しそう。
注文すればよかったと、このときは後悔したが、
結局は最後に注文することになってしまう。
前菜のあとの料理にも期待がどんどん膨らんできた。


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2007年3月30日(金)

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