“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第676回
神楽坂「レ・ブランドゥ」で瀬戸内の魚を愉しむ

久しぶりにイタリアン・フレンチ・レストランの
神楽坂「レ・ブランドゥ」で村広一さんの魚を堪能した。
3月と4月は若布の季節で、
村さんは養殖若布の収穫で忙しい。
つまり、この時季は村さんの生若布が食べられる。
先日は代々木上原「さかな幸」で、
村さんのメカブを美味しくいただいた。
そのコリっとした食感と、瑞々しい旨みに、感動さえ覚えた。

今回の「レ・ブランドウ」では、
まずはビシソワーズが細長いラッパ状のグラスで提供される。
爽やかな味わいで、食欲を呼ぶ。
これには、シャンパンをグラスでとって、合わせる。

次が、いよいよ村さんの若布。
それが、鱸の付き合わせで提供される。
鱸は瀬戸内のものだが、村
さんの獲ったものではないとのこと。
皮目をちょっと炙ってあって、結構旨い。
若布はさすがに旨い。
歯ごたえが通常の生若布とは全然違う。
村さんは、養殖ながら株と株の距離を離して、
海水が十分若布にあたるようにして丈夫に育てている。
しかも、成長しすぎると旨くないといって、
なるべく背丈が伸びないような配慮もしている。

次が前菜で、ズワイ蟹のブランマンジェ。
蟹の旨みと風味が見事に閉じ込めてあり、
口に入れると、ハラリと溶ける。
ワインは白。フィリップ・シャヴィのムルソーを選択。
そして、その次にいただいたのが、鳴門の牡蠣。
こちらは、村さんの知り合いの漁師が養殖しているもの。
こちらも、海の香りいっぱいで、とても美味。
それからパスタを二種いただく。
あたたかな海胆のリンギーネに、
冷たい蛍烏賊のトマトソース・スパゲッティ。
いずれも、海の幸の香りが麺にからまり、
口腔を幸せな旨みで満たしてくれる。

最後は、村さんが獲ったキビレという魚のアクアパッツァ。
運ばれてくると、テーブルの上に海の香りが漂う。
骨の回りまでしゃぶりつく旨さ。
ソースが味わい深く、
最後の一汁までパンで拭っていただいた。
そして、デザートは
ブランマンジェにレバノンのデザートワイン。
海の幸尽くしで幸せに過ごした一夜だった。


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2007年4月9日(月)

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