“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第684回
超美食会は盛り上がる

鴨の温泉玉子と蕗味噌の次は、
自家製カラスミと平目の刺身を提供。
平目2尾分のサクを柳刃で切るだけで、
結構な時間がかかったので、
その間に参加常連の方々にカラスミを炙ってもらった。

薄造りにして提供した平目は、もっちりとした食感が心地いい。
そして、噛むと奥からふわっとした甘みが広がってくる。
秋鹿山廃の山田錦の旨みと掛け合わされて至福の味わい。
カラスミは、製作して5ヶ月間冷凍保存したもの。
甘塩なので、劣化していることを心配していたが、
味は落ちていない。
それどころか、熟成した落ち着いた味わいがでてきている。
炙った香ばしさのなかに、鯔子の甘みが滲み出してきて、
こちらも山廃によく合い、大好評だった。

そして、蝦夷鮑の肝醤油バター炒めを調理する。
鮑は人数分の20個。
長径が10cm程度の大きさだが、
身を剥がすのには結構時間がかかった。
スプーンで丁寧に身を分けて肝を別にする。
肝を叩いて、醤油、バター、秋鹿で伸ばしながら炒め、
そこに身を入れて返しながら炒める。
最後に隠し味の和三盆を入れる。
鮑は切り分けせずに、一人1個のまるかじり。
醤油バターの風味が蝦夷鮑の濃い甘みに乗り、
ムチムチ、プリプリした食感が最高。
とても好評だった。

最後に泡汁をいよいよ実施する。
昆布出汁を土鍋にはり、
秋鹿のモロミタンクの泡を贅沢に入れて、火にかける。
グラっときたら、醤油で味付けをして、イノシシ肉を入れる。
さらに、野菜を入れて再度沸騰するまでまつ。
イノシシの泡汁は初めての試みであったが、
泡とイノシシのマッチングは最高。
泡のコクがイノシシの野趣味を盛り上げて、
なんともいえない味わい。
身体も心も熱くなってくる。

そして、〆は半田素麺を鍋の汁に入れる。
これがまた大正解。
半田素麺が泡汁の旨みをいっぱい吸って、
素麺自身の味わいを倍加させていた。
夕方の終わりに時間が限られていたために、
最後は少しバタバタと準備して食べることになってしまったが、
それでも、参加した皆さんには大好評。
これだけ喜んでいただけると、やった甲斐があった。


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2007年4月19日(木)

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