“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第703回
徳島の山奥の割烹の名前

dancyu最新号に徳島の村公一さんが紹介された。
著者は飲み仲間の藤田千恵子さん。
その記事の中で、ついに、このコラムでもとりあげた
徳島の山奥の一軒家の割烹が紹介されてしまった。
次の単行本で紹介しようと思っていた矢先で残念だが、
このコラムでも紹介しよう。

店名は「虎屋壷中庵」(とらやこちゅうあん)。
徳島県名東郡佐那河内村という徳島駅から
クルマで40分ほどの山の中にある。
こちらのご主人の岩本さんは、嵐山「吉兆」で修行し、
仕出旅館であった実家に戻って割烹を始めた。
吉兆時代から山奥に入って渓流釣をするのが趣味で、
徳島に戻ってからは周囲の天然の山の幸を自ら採取して、
その自然な素材の味を最大限活かす料理に境地を開く。

村さんが、漁にこだわるようになったのも、
岩本さんを知ったことがきっかけで、
人生の師と位置づけている。
この虎屋壷中庵で食べる料理は、
窓の外に広がる自然の風景とマッチして、
季節の移ろいをダイレクトに感じさせてくれる。
ということで、一年の間にも、何度も行きたい料理屋の一つだ。

今回は昨年の9月に村さんと訪問して以来で8ヶ月ぶりだった。
岩本さんは、私に出した料理を全て記録していて、
いつも何かしら新しい料理を提供して、驚かせてくれる。
今回も何が出るか愉しみにしていた。
予定の12時よりも随分早く到着して、
庭を通して、周囲の田舎の風景をのんびりと眺めながら、
村さんが合流するのを待つ。
残念なことに、玄関のすぐ近くに川を渡る橋を建設中で、
コンクリートが剥き出しに見えているのが少し興ざめを感じる。
しかし、村公一さんが到着して、いよいよ、
その日の自然の素材を活かした料理が運ばれ始めると、
工事のことなど、全く気にならなくなった。


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2007年5月30日(水)

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