“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第717回
亀山の自然食料理店から津島の酒蔵へ

伊賀市の森喜酒造場をあとにして、亀山へ向かう。
目指すは自然食料理店「月の庭」。
これまでも、
二度ほど森喜社長に連れてきていただいたことがある。

亀山から徒歩8分ほどで到着。
亀山は古い街並みが整備されていて、懐かしさを覚える。
「月の庭」は酒や自然食を扱う岡田商店が
自宅の庭に作った料理屋。
二階は座敷となっているが、今回は一階のテーブル席に座る。
 メニューは一品料理もあるが、
未来食コース1500円を注文。

・もちあわジャワカレー
・きくらげとえのきの酢みそ味
・板麩と白ねぎの炒めもの
・ひじきと人参の白和え
・大根のトマト煮
・五穀と玄米のごはん
・岩のりのスープ
・甘酒のフルフルいちご

いずれも、最小の味付けで、
自然の食材の旨みがよくでていた。

亀山からは関西本線で弥富まで行き、
名鉄に乗換えて津島で下車。
こちらには、最近だんだん知名度が高くなってきた
長珍という酒の蔵元があり、訪問することを約束してあった。
津島から徒歩10分ほどで、長珍酒造に到着。
まずは、蔵元の桑山さんに挨拶をして、色々と話しを聞く。

桑山さんは、酒蔵の息子に生まれたにもかかわらず、
蔵を継ぐ気はなかったという。
大学も建築関係に行きたかったのが、
親の勧めでやむなく東京農大に入り、
そこで吟醸酒に出会って、
日本酒に対する世界観が変わったという。
もともとが桶売り主体の蔵で、
自分のところの酒と
吟醸酒の明確な違いを感じてショックを受けて、
蔵に戻ってからは桶売りの量を大幅に減らして
いい造りを目指すようになった。
そして、全国鑑評会での金賞受賞を目指すことになる。
造りも安定してきて、
地方予選や全国新酒鑑評会で賞も取れるようになる。

そうしているうちに、
今度は米の周りを削って
酒にしない吟醸酒にも疑問を抱くようになる。
そうして、味がある食中酒を目指ように方向転換。
現在はそちらへ向けて造りの工夫を重ねている。

数種類の新酒、熟成酒を試飲させてもらった。
嫌味な味はなく、柔らかな旨みを感じる。
熟成したものもうまい。
但し、ちょっと優等生的で、
もう少しボデーが強くなるとさらによくなりそうだ。
桑山さんの情熱は本物。
いくらか、方向性について提案をして蔵を後にした。
長珍の今後が楽しみだ。


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2007年6月19日(火)

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