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死に方・辞めかた・別れ方  邱永漢

去り際の美学

第56回
三年間働いても仕事にやりがいを感じなかったら、
積極的に転職を考えてみる

たとえば三十歳くらいになって、
仕事はおもしろくないし、
収入もそれほど期待できないという状況で、
転職の機会に恵まれたとします。

もし私がそのような立場に立たされたら、
積極的に転職するでしょうね。
やっている仕事が自分に合わない、お金も貯まらない、
社会的地位も望めないと思ったら、すぐに方向転換します。

何よりたいせつなのは、
「いつがチャンスか」「何がチャンスか」を見きわめることです。
「いつかくるだろう・・」
と空想しているだけでは、実現するはずがありません。

「チャンスは前髪でつかめ」というように、
ふだんから「手がかり」を自分で作る努カをしておかないと、
新しいチャンスをつかまえることはできないでしょう。

最近、転職する人がすこしずつふえてきています。
それでもやはり、安住の地に踏みとどまろうという人のほうが
圧倒的に多い。
しかし、三十歳くらいで「いまだ」
という千載一遇のチャンスに出合ったなら、
積極的に自分を賭けてみるべきです。

現状を打開しないかぎり、
いつまでも同じ不満を言いつづけるという結果になるでしょう。
四十歳くらいまでならまだやり直しはききますから、
チャンスがあれば失敗にこりずに、
何度でも挑戦したほうがいいのじゃないですか。

何度でもといっても、
三カ月、六カ月といった短期間でくるくる替わるのは論外です。
一カ所に長くいられず、
短い期間につぎつぎと転職しているような転職グセのある人は、
駕寵かつぎになったらいい。
駕龍をかついで今日は西へ、
明日は東へと移動する。
駕龍屋は、つぎからつぎへと動かなければ商売になりません。

といった具合に、
転々と職を替わっている人を
信用する人はまずいないということです。
いろいろな人に転職先を頼んでは、
すぐにやめて、紹介者の信用を裏切るわけですから、
ついには助けてくれる人は一人もいなくなる。
だから、短期間に何度も職を替えるのも禁物です。

少なくとも、三年はきちんと仕事をつづけるべきでしょう。
「石の上にも三年」というように
ひとつのことができるかできないかは、
三年くらいは頑張ってみないと目処がつかないものなんです。
三年間やってみていよいよ自分に合わないと判断できてはじめて、
転職を考える。
三年ごとに、”定期的に”職を替えるというのも
また困るんですけれど。





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2013年5月27日(月)

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