第31回
■ K.Y.さんからのQ(質問)

私54才ですが、考えて見れば20代あるいはその前から
先生の本を読んでおり、その発想はいつも参考にさせていただいております。
今思い出しましたが、最初の頃は推理小説も読んだ記憶があります。
お金儲けの本ではなく、推理小説だけを書かれていたら、
そちらでも沢山の名作を書かれていたのではないかと思います。
最近、先生の本を見て、中国株、天仙液
あるいはほぼ日刊イトイ新聞の事を知り、
このホームページまでたどり着きました。

前段が長くなって申し訳ありません。
中国株のことで相談お願いします。
A株とB・H株の株価を比較すると、B・H株の方が高くなっており、
先生のお考えもB・H株は買い方針のように受け止めています。
私も特に香港H株とA株の価格差が大きいので、
H株を何銘柄か購入し
2008年の北京オリンピックまで持っているつもりです。
もちろん売買は全て自己責任でありますが、
A株とH株の価格差のバラつきをどう判断したらよいか
この1カ月ほど迷っております。
A株とH株の価格差は5倍前後が一般的のようですが、
なかには9倍前後の銘柄もあります。
例えば本日(9月13日)ですと
南京熊猫(0553)9.03倍、洛陽ガラス(1108)8.95倍となっております。
投資家に不利な情報は、
外国人向けには流すが中国の人には流さないのではないかとか、
中国の人と外国人と投資判断が違うのではないかとか、
この大きな価格差を単純にプラスと考えるべきかどうか、
判断に迷っております。
先生のお考えをご教授お願いいたします。


■ QさんからのA(答え)

昔、私が書いた推理小説のことを覚えている人は少ないと思います。
実は江戸川乱歩さんに私が勧誘されて、
「邱永漢さんの文章を読んでたら、極めて論理的な文章だから、
 推理小説は書けるから、書け書け」
と言われて、「小説宝石」というのにしばらく連載をいたしまして、
それを光文社から『被害者は誰だ』という題名で出したことがあります。
もう随分昔のことで、何しろ推理小説は一冊だけですから、
こっちはもう忘れておりますけども、覚えていただいてありがとうございます。

今、中国株をお買いになっているようですけども、
ご指摘の通り、A株とB株というのは、はじめは同じだったんですね。
それが時間がたつうちに、B株はドルで買える株で、
したがってドルを持っている人が世界中のどこでも投資が出来ますから、
他のところと比べてみるとB株が見劣りする、
ことに会計制度はあてにならん、中国の政治がどうなるか心配だ、
というようなことがあって、少しずつ下がって行って、
とうとう一番多いのは10倍なんですね。
10倍になっているような会社の株は、
実は外国人から見るとあんまり良くない株です。
内容が良くないから売られているわけですけど、
面白いことにB株の値上がり方を見てもわかるんですけど、
戻りになりますと、ボロッ株の方がよく上がるんですね。
実は投機が集中するからなんです。
安い分だけ倍率も高くて当たり前だというような金が集まるんですね。

ですからボロッ株だからと言ってバカにはできないんですけど、
私たちのように、長期的に持つ人は
いろんな目に遭ってもあまり心配のない株を買うのがいいと思います。
そういう株は、ちゃんと配当もしているし、その分だけでも
いま日本で定期預金でもらうよりははるかに高いわけですから、
長期的に持続してもよろしいんじゃないでしょうか。

おっしゃるように、中国の株はまだまだ成長期にあって、
少なくとも2008年のオリンピックまでは拡大が続くわけですから、長期持続に賛成です。
それから先がどうなるかということについては
またその時になってから心配することにしましょう。


←前回記事へ 2002年9月30日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ