第116回
■船橋のSIさんからのQ(質問):セーフガード発動の真意は?

Q先生様

先ごろ中国が鉄鋼製品についてセーフガードを正式に発動しましたが、その真意がわかりません。
先の日本が農作物等に対して発動したセーフガードの仕返しなのでしょうか。

先生はこのセーフガードの発動をどう思われますか。
お考えをおきかせください。

以上


■QさんからのA(答え)

WTOの加盟国の間で高率の輸入関税はやめようということになっています。
でもお米の値段は10倍、牛肉の値段は5倍ということもありますから、どうしてもそれをチェックしようという動きが出てきます。

特に自国製品が高い国で急激に輸入がふえると自己産業が打撃的な影響を受けますから、どうしても防ぐために罰金のような税金をかけることが起こります。
たとえば、中国で自動車の生産が急増すると、車体用の鋼板の輸入が急増します。それが今回のセーフ・ガードの発動につながったのです。
でもそんなことを繰り返していると、折角の自由貿易への道がふさがれてしまいますから、どこの国でも自主規制をしたりして、あまり摩擦が大きくならないように気を使っています。

とりわけ葱や椎茸にセーフ・ガードを発動したら、自動車や携帯電話でしっぺがえしが来ますから、引き合わないのは工業製品の輸出をしている日本の方でしょう。
1台の自動車で何トンのホウレン草が買えるかということになったら、仕掛けた方が損をするにきまっています。
少々損をしても、セーフ・ガードなんか発動しないにこしたことはありません。


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