第210回
■K.AさんからのQ(質問):技術者として中国で

いつも楽しみに拝見しています。
私は、繊維染色業の技術屋です。
我々の業界も生産拠点を中国へ移すべき事
(移ってしまうであろう事)は、
個人的には理解できていますが、
現在勤める会社の規模や方針からいって、
実際に生産拠点の移転という事は無理だろうと思っています。

自分のこれまでやってきた事を活かすのであれば、
現在の会社を離れてでも、
いずれ中国へ渡るべきだろうと思っていたのですが、
昨年末、「技術指導の視察」という事で中国、
上海周辺の工場を見学に行き、ますますその思いが強くなり、
早く行きたいと思ってきました。
自分の専門とする技術・システムが、
今年の後半から、中国の各工場で導入合戦となる事が
最も大きな理由ですが、専門以外のスキル
(例えばマネージメント能力等)でも活かせる事、
生産者として、成長していく過程の中で仕事をしたい事なども
大きな理由です。

現在の会社からの中国行き(技術指導として)の話しが
つぶれたので、できるものなら個人ででも中国へ行き、
仕事をしたいと思っているのです
が、どいう風に動けば良いか解りませんし、不安が一杯です。
曰く「中国へ技術屋が渡っても、
短期間で使い捨てにされておしまい」、
「会社対会社、組織対組織で無ければ相手にもされない」
等など。
妻子があるので、
何年か後には日本に帰って来たいと思っていますが、
そこそこ長期的に中国に住む事は充分可能だと思っています。

何かアドバイス、お知恵をお願いします。


■QさんからのA(答え)

染物のお仕事をおやりになっているようですけども、
どうしても人間は一度覚えた仕事に固執するんですね。
だから日本で、繊維の仕事が上手く行かなくなれば
あなたの仕事も影響を受けますから、
いまは成長する産業には入らないと思います。
でもまだそういった仕事が行き届いていない所に行けば、
当然仕事があるわけですから、
日本でやるよりは中国へ行ってやるというのは
よろしいと思います。

最近中国では我々がオールドエコノミーに
分類するような仕事が発展しています。
例えば女性用の肌着は
日本でいくら商売したって駄目ですけども、
同じ日本の会社が中国へ行ったら
何億人の市場だと言っています。

ですからその中にひとりの人間が
もぐりこんでやるぐらいの仕事はいくらでもあると思うんです。
ただ、自分の会社と向こうの会社が技術提携して、
あなたが行くというのならすぐに行けますけど、
自分ひとりでやることになると大変難しいでしょう。
中国の社会は人脈社会ですから
人の関係がないと飛込みでは仕事にありつけないんです。
その辺のところを上手く心得ておやりいただきたいと思います。


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