第289回
■K・NさんからのQ(質問):金融商品の取引について

私は、現在店舗を構えての小売業を営んでおります。
小売業をやっていて感じることは、
・やる気のある人材の確保
・店舗を構えることの高コスト
・商品開発(売れる商品探し)の問題
・仕入れの問題
・物流の問題
・販売計画の問題
・発注と在庫(チャンスロス、値下げ廃棄ロス)の問題
・集客の問題
・固定客作りの問題
の難しさであります。

金融商品の取引においては、
・店舗が要らない
・商品の流動性が高い
・在庫なし
・マーケット参加者がいる(仕入先とお客さんがすでにいる)
・物がないので物流が要らない
・物理的に制約を受けないので規模の拡大が容易
という特徴があると思います。

金融商品の取引をビジネスと考えた場合、
非常に有利な点が多いと感じています。
現在、オンライントレードの信用取引口座を開設して
小さい規模で商品の買いと売り、
又売りと買いを練習しています。

やってみて初めて気づくことの連続で
なかなか思うように行きませんが、
実践を通して自分なりのやり方を身に着けていこうと
日夜努力しています。
店舗を構えるビジネスとビジネスとしての
金融商品の取引のQさんの考え方を
ご教示いただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


■QさんからのA(答え)

店舗を構えて小売商をやっている人から見ると、
店舗がなくてやれる商売は楽だと
お考えになるかもしれませんが
無店舗は無店舗なりに難しいところがあります。

たとえばインターネットでの商売では、
アクセスがあれば商談に入れると
お考えになるかもしれませんけど、
アクセスがあった瞬間から人が顔を出さないと
仕事にならないのです。
店舗がない分節約になりますけど、
その代わり、実物を見てもらうことができないわけですから
よほど信用がないと難しいという面もあります。

日本と違って中国で通信販売が成り立たないのは
どうしてかというと、
中国の人は自分で商品を見て、触ってみないと買わないからです。
だから通信販売をやるにしても
どこかに大きなショールームを持っていて、
そこで商品を人に触らせないと
商売ができないという難しさがあるんです。
国の違いによってそういうことが起きるということです。

あなたは金融商品ならいいんじゃないかと
おっしゃるかも知れませんが、
今ごろインターネットで売れる金融商品があるでしょうか。
金融商品というのはそれを買った人が
金が儲からなければいけないわけですが、
いま、これだけ金利が安くなっているということは
実は借り手がいないということです。
つまりお金を借りて商売をやっても
お金が儲からないからなんです。
当然のことながら金融商品も
あやしげなものしか残っていないということです。
ですからあなたの考えているような、
金融商品の商売は難しい、商売にはならないと
お考えいただいた方がよろしいと思います。


←前回記事へ 2003年6月15日(日) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ