第327回
■百貨店マンの妻さんからのQ(質問):リサイクル店と百貨店

拝啓 Q様
はじめてお便りさせていただきます。

昨日の朝のワイドショーで、
「この不況のさなかに元気の良い企業」
という特集で名古屋市のある会社が取り上げられていました。
ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、
それは『スーパー・ディスカウント・リサイクル・デパート』
とかいうブランド品のリサイクルショップでした。
普通のデパートと見まがうような6階建てのビル全てが、
美しい陳列台に飾られたリサイクル品(一部新品)で
埋め尽くされているのです。

遂にここまできたか!という感じでした。
その土壌には、無理な借金をせず堅実にお金を貯めて
使うときはパッと使うという愛知県の県民性があり
信用を大事にする商売人が多いこと、
良いものを見分ける目が高い人が多く、
納得すればお金を惜しまない傾向があることだとも
解説していました。県内失業率も3.8%
(記憶に頼っているので
正確な表現とは違っているかもしれませんがお許し下さい)
まさにこれはQさんの理論を裏付けるような話だと
感心した次第です。

消費者が欲しがっているものを、
うまく循環させることでそのマージンを
得る、今の時代にピッタリはまった商売と
言えるのではないですか?
従来の質屋、質流れの暗いイメージはまったくなく
その証拠にその番組の中年司会者は正直に
「僕、こういう店大好き!僕の家の隣に出来ないかなあ」
と目を輝かせていました。
そこまでして庶民がブランド品を身につけたいか?
ブランド本店からいつかクレームがつくのではないか?
という一抹の恥ずかしさと危惧はありますが、
こういう店が大手を振っている時代ですから
莫大な負債を抱えた大規模百貨店は
やっぱり生き残れないのではないか?
と不安になる今日この頃でございます。

長々と書いてしまいましたが、Qさんはどうお思いでしょうか?
末筆ながらQさんのご健康とご活躍をお祈りしております。


■QさんからのA(答え)

名古屋でリサイクルの物だけを集めたデパートをやって、
大変繁盛している所があるということですけれど、
それは考えられないことではありません。
例えば、中国から来た留学生は、ゴミを捨てる所を見て
「中国だったら使うものを
ここではテレビでも冷蔵庫でもみんな捨てている、
あれは中国にもって行ったら商売になるんじゃないか」
なんて随分前に聞かされたことがあります。

いまは新しいものを買うと
古いものを捨てないと置く場所がないわけですから、
逆に物を売っている店が古いものを引き取りにきます。
日本国中の家のタンスの中に、
使わないものがどれだけ入っているかということを考えれば、
当然商売になるということです。

でもこういうことを考えて実行に移せるのは名古屋の人なんですね。
お値打ちという言葉は名古屋の言葉で、
名古屋の人は大阪の人よりケチでしっかりしています。
大阪の銀行の人が名古屋に赴任すると
みんなアゴを出すといわれています。
また、名古屋の三値切りといって、
1回値切るのではなくて、三回も値切るところですから、
当然こういう発想が出てきても不思議ではありません。
でも、この発想を応用して、
日本の国全体の立て直しをすることはできません。
ちゃんと物を作ってちゃんと売っていかないと
景気を快復させる力にはならないんです。
応用がきかないとは言いませんけれども、
大きなスケールでやれば
商売になる仕事の一つというわけには行きませんね。


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