第369回
■時代は巡るさんからのQ(質問):人の移動に関するビジネス

いつも貴重なお話をお聴かせ戴き、誠に感謝致しております。
何事も続かない性格の私が、先生のお言葉のおかげで
8年間も中国語を勉強し続ける事ができました。

さて、私の質問ですが、先生は第791回で
以下のように書かれておられました。

最も注目すべきはヒトの動きです。
ヒトはモノの動きにも、カネの動きにもついて行きます。
日本から動くカネについてヒトも中国に動くし、
ヒトが中国から日本に動くことも多くなります。
ヒトをどう動かすという仕事が
この次の大きな仕事になるのです。
それだけ新しい仕事もふえるし、
創業のチャンスもうんとふえると考えてよいでしょう。

また、以前、ご著書の中で、日本の高いコストを考えると
老人ホームも将来は海外で、という時代が来るのではないかとも
予想されていました。

今、書店の一角にはロングステイに関するコーナーがあり、
内容は、定年後の元気なうちはコストの安い海外で、
日本では実現不可能な豊かな生活を実現させようというものです。
それも永住ではなく、いつでも帰ってこれる形で、
というのがポイントのようです。
いくつかの実例の中で私が興味を引いたのは、
やはり、ただ海外でのんびり暮らすだけでなく、
日本語を教えるボランティア等をしている人の方が、
ずっと生き生きとしているということです。

又、何年か前に大橋巨泉さんの著書が話題になったことも
思い出されます。
これも第2の人生を
季節ごとに海外で分散して暮らすということに対して、
多くの日本人が共感を感じ始めている証拠だと感じました。

そこで、私なりに先生の仰る
人の移動に関するニュービジネスを考えますと、
日本から中国については、ロングステイの中国版+生き甲斐探し
中国から日本については、若者の働き場探し(特に介護事業)
つまり荒っぽく申しますと『高齢者の輸出、若者の輸入』
ということになろうかと思います。

この分野に特化した教育+人材派遣のような事業ができないかと
漠然と考えている次第です。
未だぼんやりと考えているだけの内容で恐縮ではありますが、
先生のご意見を賜れば幸いに存じます。


■QさんからのA(答え)

これからは多国籍にまたがって仕事をやる時代になると思います。
あなたの場合は8年間も中国語の勉強をされて
普通は8年もやっていればペラペラになっているはずですから、
どちらの国に行っても不自由はしないと思います。

私の友達のなかにも定年退職をしてからどうしようかと考えた末に、
中国へ行って日本語の先生をやっている人もおります。
中国語が話せないままで中国に行ったわけですが、
それでも向こうで生活をしている内に
生徒たちからもずいぶん慕われるようになって
今では日本に帰ってきても、すぐまた中国に戻ってしまいます。

ただあなたの場合はまだ40代ですから
そういう意味の日本語の先生というのは勤まらないと思います。
学校の先生というのは
たまたまそういう機会があってやるのは良いんですけど、
報いられることの少ない、収入の少ない仕事です。
それを事業としてやるなら別ですけど、
一教師としてやっていくというのには
まだほかにやりたい仕事がたくさん残っている人には無理です。
したがって向こうに行って仕事を始める
きっかけとしてやるのならいいと思いますけど、
本当に自分の一生の仕事としてやれる仕事は
それから見つけるべきでしょうね。


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