第429回
■バンザイさんからのQ(質問):上海B株今後のいくえ

邱永漢先生

こんにちは。
いつも楽しさの中にもハッとする思いをうけるホームページ
ありがとうございます。

中国株の話題が先生のページをはじめ、
あちらこちらで現れてこない日がないですね。
中国株といっても香港H株はたしかに快進撃なのですけど、
上海B株の力のなさはどうしたことでしょう。
少し前3ヶ月間ぐらい棒上げの時期もありましたが、
今は惨澹たるありさまです。
会計の制度が違うといっても、日本のように
中国より会計制度が整っていると
多くの人が思い込んでいる市場でも、
毎年毎年年度末になると
これで不良債権のだしきりといったような記事がでてきます。
さらにお手本だといわれているアメリカでも、
突然の企業破綻が発生しています。
会計制度は企業状態を知る
ひとつの管理項目にすぎないと思います。
株価を反映するのは今後の成長性とか、
あるいは、えらそうなことをいうより利益に応じた配当を
実際にしている企業のほうが
はるかに信用ができるのではないでしょうか。

上海B株市場を見てみるとドル建てです。
元がドルや円に切り上げられるのはおそかれ早かれの問題ですが、
上海B株の1株も上海A株の1株だとすれば
1ドル=8.2元が、1ドル=1元になっても、
為替による企業の事業展開の有利不利はあるのでしょうが、
最終的な価値としてはA株とB株は同じではないでしょうか。
ところが上海B株を売って、上海A株を売る動きとか
なぜでてくるのでしょうか。

おりしも日本株はなぜか値をあげ、
これまで水没地帯であった方々には日本株売り上海B株買いの
千載一遇の機会だと思うのですがいかがでしょうか。


■QさんからのA(答え)

中国の株に興味をお持ちのようですけど、
私から見ると、物の見方がかなり混乱しているように思います。

たとえばA株とB株が同じなのに、
上海B株を売って、上海A株を売る動きが出てくるというのは
どういうことなのかよく理解できません。

もちろん中国の人は外貨を持っているから
安い方のB株を買うということはあります。
でも外国人はB株の方を売ってA株を買うことはできませんから
いまのところ、両者はつながっていません。
ですからA株とB株に価格差が出てくるのです。

次に中国の会計制度に問題があるというのは事実だし、
それ以外にも経営者のやり方そのものにも問題もあって、
国営であることからくる欠点もあります。
しかしそういう矛盾が一つずつ解決されていくことの間に
チャンスがあると考えるべきであって、
その度に具合が悪くなるんだったら、
そばに寄り付かない方がよろしいんじゃないでしょうか。
いまは世界に通用する会計制度に切りかえている会社が増えています。

それから私がいつも言っていることですけども、
一番確実なことは現金配当でその利益に応じて
ちゃんと配当をしている会社の方が信用はできます。

そういういくつかのポイントがありまして、
そのポイントをチェックして、
どの株を買うかを決めればいいと思います。


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