第844回
MKさんからのQ(質問):過剰投資を抑止できる?

いつも楽しみに読ませて頂いております。
最近Qさんはコラムの中で
よく資源不足をとりあげているのを目にします。
私自身金属原料業界に携わり、中国で現在働いているので
Qさんのおっしゃる事身をもって体感している次第です。

現在世界経済は1つの分岐点に達しているとさえ思います。
さて最近中国政府がまた
銀行に対して利息の引き上げを行っているようです。
またよく新聞等で中国政府が引き締め策は
効果があったと言っておりますが、
実際政府の力で中国の過剰投資を抑制しきれる物なのでしょうか?


■QさんからのA(答え)

中国で仕事をやっていれば、
あっという間に鉄の値段が上がったり、
石炭の値段が上がるのが身辺で起っておりますので、
その分だけ実感があると思います。
それはどうしてかと言うと、
ものすごい勢いで中国が工業化が進んで
増産がはじまったからです。
中国が毎年少しずつ豊かになる分だけ
素材への需要が増えますから、
この傾向はまだ続くと見てよいでしょう。

中国人は金が儲かるとわかれば
夜討ち朝駆けはなんとも思ってませんから、
借りれるだけの金を借りて設備投資をします。
すると一時的にものすごい設備投資が行われて、
供給過剰が起きて、製品が値下がりをして、
潰れる会社も出て来ます。
それでは具合が悪いので、
設備投資を抑える意味での金融引締めをやっているのです。

中国の政府は我々が考えるよりも力が強く、
人が何と言おうと自分たちが間違ったと気が付くまで、
固執してやりますから、
途中で止めるということは先ずないと思います。
いま中国の銀行はどこの会社が行っても、
金を貸してくれません。
逆に貸した金を返してくれと言われてしまいます。
そういった意味では当分の間、
企業は資金繰りに苦しむことが続きます。

そのために現実に監督している地方政府と、
それに対して押さえ込みをやっている中央政府との間では
行き違いがありまして、
かなりガタガタもめているところです。


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