第912回
T.O.さんからのQ(質問):倹約家でいいのでしょうか

邱永漢先生様
いつも楽しく読ませて頂いております。
いつまでもお元気で今年もよろしくご指導ください。
金持ちほど節約家で、倹約家である。
同じ飛行機でもエコノミーを必ず使う
マイクロソフトのビルゲイツの例も有り、
旅行先のホテルでもついケチりたくなります。

勿論小生はお金持ちではないので、
家内から小生は貧乏性だといつも皮肉られますが、
なかなか治りません。
先日の邱先生のコラムでもありましたが、
もったいないと思う心に打ち勝って、
ファーストクラスに乗るべきだと、言われておりましたが、
この辺のところををいま少し詳しくご指導ください。
人生の秘訣が有るように思います。

今年の一層のご活躍を御祈念いたしております。


■QさんからのA(答え)

昔から金持ちになった人には共通した特長があります。
第一はみんな節約家であること。
第二はそういう人たちは、
お金持ちになっても依然として勤勉で働き者であるということ。
そして三つめは、中国の場合は奇策、
今の言葉で言えば人と違うアイディアを持っている、
ということだと言われております。

ですから自分で努力してお金持ちになった人は、
お金を作ることの難しさが身にしみていますから、
無駄なお金は一切使わないということです。

しかし、お金を使わないで置いといたら、
そのうちに自分が死んでしまいますから、
死んだ後、税務署にごっそり持っていかれるか、
持っていかれなくても
バカ息子が代わりに使ってくれることになります。
ですから自分で儲けたお金は自分で使う努力をしないと
よけいなことが付いて回ります。

ところが、節約をする人にお金を使えといったって、
本当に死ぬ思いなんです。
お金を使うのはお金を儲けるより難しいのです。
と私がそう言ったら、
私のところに出入りする若い人が、
じゃ僕が代わりに使ってあげましょうか、と言います。
でもそういう人は大抵お金を儲けたことのない人なんです。

最近はファーストに乗ると、
自分一人しか乗っていないことがよくあります。
エコノミーの方は人がいっぱい居るのに
何で自分だけこんなところに座っているんだろう、
と思うんですけど、
待て待て、これも修行だ、と言い聞かせております。
お金があるから見てくれ、
といって乗ってるわけじゃありません。
死ぬまでに出来るだけお金を使って、
なるべく税務署に持っていかれないで
済むようにした方がいいと努力しているんです。
そんなこと言ったら笑われてしまうかも知れません。
これも人生の大事な仕事の一つ、と思ってやっているんです。

あなたは奥さんからバカにされておりますけど、
私もバカにされていることでは同じですから、
ご心配はいりません。
但し、うちの奥さんは私と一緒でない時も
ファーストに乗っているようです。


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