第993回
■Hさん
からのQ(質問):台湾独立

2006年の憲法改正で台湾が独立を宣言し、
もしそうなったら中国が攻撃を仕掛けるという話がでています。
二つの国の経済的なつながり、
人的なつながりで攻撃を押しとどめようとする動きと、
人民解放軍や国家の持つドグマ的な狂信性の
どちらが強いと思われますか?

もしかしたらこれをきっかけに、
中国の分裂が始まる可能性も感じていますが、
邱永漢先生はどうお考えですか?


■QさんからのA(答え)

台湾の独立が政争の対象になっているのはご覧の通りです。
しかし、台湾がいまの国際情勢の中で
独立をする可能性はほとんどないと私は見ております。
大陸と台湾の関係は複雑で
説明するのに長い時間が掛かりますので、
ここでやっているヒマはありませんが
両方の経済はもうほとんど統一されてしまっているのです。

例えば台湾を代表するIT関係の事業は
90%が既に大陸へ移っております。
そういう状態の下で
政治家たちだけがガタガタやっているんで、
実際には、どういう形で両方に満足の行く
手のつなぎ方ができるかと言うところまで来ているのです。

中国はあれだけ広い所ですから、
分裂へ向う遠心力と同時に求心力も働いています。
例えばオリンピックの時に中国の人が金メダルをもらっても、
台湾の人が拍手をするというようなことも現実にあるんです。
これからだんだん国境がなくなって行く時代に、
戦争をしてまでどちらかが自分の言い分を通す
ということにはならないと思います。
その間で双方で納得の行く妥協点を探すというのが
これからの中国と台湾の懸案であると私は思っております。


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