第995回
■Tさん
からのQ(質問):ニューヨークの可能性

邱永漢様

一国一城の主となること、
日本を復活させる牽引役になることを
同志を約束をして故郷を飛び出し、
ニューヨークで勤務し3年目に突入しようとしています。
富豪と世界中の民族が集まっているニューヨークは、
インターナショナルでビジネスを展開するには格好で
利用価値のある場所だと思っています。
しかし問題意識とモチベーションがまだまだ低いのか、
志と事業のビジョンが見えてきません。
ハッキリ見えてきたのは日本が非常に特殊な国であること、
特殊な民族だということ、創作よりは改善が特意である、
といったような全体像です。
排他的傾向が強い、と以前ご指摘しておられましたが
私も腹で納得しております。

国力が減退していくアメリカにおいて、
今後の世界でのニューヨークの位置付け、
また事業としての利用価値をお聞かせください。

人生、そして事業の大先輩である邱さんのお考えを
少しでも拝借させて頂くことができれば
これほど有難いことはありません。
また24歳の邱さんならどうするか、
という側面からでも構いません。
アメリカに拘泥している訳ではなく、
ニューヨークも一つの経験だと思っております。
ただ、魚のいないところで釣りはしたくありません。

よろしくお願い致します。


■QさんからのA(答え)

日本から飛び出したといってもまだ24歳ですから、
飛んでいく先がニューヨークで終り
というわけではないと思います。
ニューヨークももちろん私も何回も行っております。
ここで何かやれる仕事がないかと考えたこともあります。
ただ、その中へ何とかもぐりこんで
生き長らえるということなら、
ニューヨークでもいいでしょうが、
一旗上げようという考え方だったら、
もう既に出来上がった所よりも、
これから形をなしていく所で、
新しい形をつくるお手伝いをする方が
チャンスは多いんじゃないでしょうか。

いつも言うことですけど、
アメリカのような、
もうほとんど完成した国へ行っても、
あなたの出る幕はありません。
パイがドンドン大きくなる所へ行って、
その分け前をもらうということなら
少々ヘマをやってもメシの食いっぱぐれはないでしょう。
そういう意味で、
これからは中国と東南アジアがいいと私は見ています。


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