第1022回
■信為万事之本さん
からのQ(質問):カルフールの敗因

毎日、邱先生らしい
大局的なコラムを楽しませていただいております。
ありがとうございます。

カルフールの失敗についてお聞きします。
台湾では成功し、日本では失敗したカルフールですが、
双方の国の実情に精通する邱先生は、
日本と台湾の差異という切り口で考えた場合、
成功と失敗の分かれ目は
どういった点にあったとお考えでしょうか?
よろしくお願い致します。


■QさんからのA(答え)

カルフールが台湾や中国でかなり成功しているのに、
どうして日本では上手く行かないのかというご質問ですが、
先ず日本の方が第一に流通革命ではずっと先輩です。
戦後しばらくたったころからスーパーが次々できて、
全国的スケールで流通が改善されています。
もうひとつは日本人はなかなか神経質で、きめが細かくて、
なおかつまた選択の基準が違うと思うんです。

他所の国は安ければいいということを
中心としてやっておりますので、
カルフールみたいに安く売れば人が飛びつきます。
ところが日本はマヨネーズはあれでないと嫌、
マグロの缶詰はどこのでないと嫌という選り好みがあって、
そういうメーカーはカルフールの言う通りにならないんです。
カルフールのやり方は
それと同じ物を作っている別のメーカーに
これだけ量を買ってやるからまけろと言って、
まけてくれるところのものを売ります。
日本人は自分が買いたいものがそこにないと、
そっぽを向いてしまうんです。
外資スーパーの日本のマネージャーに聞くと、
みんな頭を抱えて日本は難しい難しいと言っております。

そういう意味では日本人の商売のやり方は
もっと消費者のことをきめ細かく研究している
と言ってよろしいんじゃないでしょうか。
デパートを見たらよくわかります。
スーパーには外資が割り込んでいますけど、
デパートには1軒も割り込みはありません。
デパートの場合は
消費者の嗜好を中心として物を考えますから、
日本人の心をあまり上手くつかみきれていない外国人では
歯が立たないんですね。


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